明日天気になぁれ!

 今日も、船が欠航した。午後から、風が強くなるらしい。予定通りに、子牛を出荷できるのだろうか? 
 まず気になったのは、福重太郎が母乳を飲んだかどうかだ。作業風景の中で、おっぱいに吸い付いている姿を見ていない。でも、ふくしげの乳房が、片方大きくしぼんでいた。昨日は均等に大きかったから、その分は吸ったのだろうという判断。あとは、元気が無かったら、すぐに超早期母子分離だ。
 今日やらなければならない最重要課題は、削蹄だ。
 今回の出荷は、キキとべにこだ。キキは出荷時期に来ているが、まだ小さい。出荷適齢の牛はキキだけなので、べにこにちょっと背伸びしておつき合い願った。だから、今回はかなり安い。小さいと、蹄も小さいので、削蹄しやすかった。
 キキが水様便なので、治療薬を静脈注射する。離島でなければ、獣医さんが施行するのだが、ここでは飼い主の仕事だ。数をこなしてきたおかげで、何度も刺すことなくできるようになった。
 子牛をミルクで育て、懐くように努力していることも仕事がやりやすくなった要因かもしれない。
 削蹄、ブラッシング、鼻輪と耳標の装着…小春日和だったりすれば、もう少しのんびりした気持ちでできるのかなぁ? 氷雨の中の作業は身も心も縮込ませる。

 ランチは、コロッケ定食。もちろん、冷凍物だ。若い頃は、揚げ物なんて挑戦しなかったが、定食屋も無いこの島では、コロッケを食べたかったら自分で揚げるしか無い。人は、環境により変わっていくのだ。
 デザートは、元気が出る安納芋!
 外は雨が続いているので、商売道具の「引き綱」を編む。

 午後の作業のメインは種付け。二頭の予定。
 最初に、はるかね(金幸)。体の大きいはるかねは、枠場の枠からはみ出しそうだった。岡茂福をつける。
 次に、問題のすずこ(平茂勝)。なぜ問題かというと、すずこは器具を挿入すると力いっぱい踏ん張るため、中がまったく見えないのだ。今回も前回を上回る力みようで、踏ん張った腰が、地面から40cmくらいまで下がり、中を覗くことなんて出来なかった。
 頚管をつかんで注入器を挿入する方法に挑戦してみたが、だめだった…あたりはすっかり暗くなり、俺の気持ちも暗くなった。
 明日はぜひとも晴れて欲しい。