釣り大会?

 今日は、青年団の釣り大会だった。この時期の釣りと言えば、メジナである(らしい)。俺は、はっきり言って釣りは苦手である。でも、一応青年団だし、交流はしたい。久しぶりに、海の中を見てみたくなったので、素潜り漁に行くことにした。釣り大会としては番外だが、まぁいいか?
 いつも潜っていると問題ないのだが、久しぶりに潜ると、水圧やウエットスーツの圧迫で、戻してしまうこともある。消化の良い朝食を取り、胃薬を飲んでおいた。準備をして、まずミルクを飲ませるために牛舎に行った。昨夜、超早期母子分離した雪絵太郎と潮次郎は、盛んに鳴いて母親を呼んでいた。ほ乳瓶の乳首をくわえさせても、舌で押し出すばかりだったけど、根気よく口に含ませてやると、やがて吸い始める。中腰の姿勢が辛いが、子牛との根比べなのだ。
 難産で生まれた雪絵太郎は、生後2週間のフジツボや登次郎より大きい。大きく生まれた子牛は、そのまま大きく育つことが多いが、難産で死なせてしまう確率も高い。死なせると、精神的ショックの他に、経済的にもかなりの痛手だ。牛温恵を導入し、出来るだけ出産に立ち会えるようにしたのは、そんな大きな子牛を助けるためだ。導入して、まだ一年経っていないが、立ち会わなければ危ない出産が、4例ほどあった。

 従業員さんにお願いして、俺は坂本温泉に行った。
 波があると、ゴロタ石の海岸からエントリーするのは、ちょっと神経を使う。足を滑らせて転ぶと痛いし、4mの長銛は折れやすい。体がギリギリ浮かぶ水深の場所まで急ぎ、急いで足ひれを着けて一気に海岸を離れる。
 波が荒いのと温泉成分のため、海は濁っていた。いつも通り大型のブダイやニザダイ、ハギの仲間が、大挙して出迎えてくれた。赤や緑のブダイは、沖縄では高級魚だ。ニザダイも、活け締めして刺身にすれば、美味しいらしい。でも、俺が欲しいのは別の魚だ。狙いの魚意外には、手を出さない。目的の魚に出会わなければ、ボウズでもかまわない。
 そう思って、これまでずっとやってきたのだが、本当にボウズだったことは無い。でも、今日は二時間ほど泳ぎ回ったが、一度も銛を放つことは無かった。まぁ良いか?
 
 夜は、新年会を兼ねた打ち上げだった。釣りチームは、大漁だったらしい。メジナの刺身と、豚肉と鶏の白湯スープ鍋だった。野菜が美味しかった。