引っ越し作戦

 なんと、久しぶりに寝坊してしまった。寝坊は、井戸側の揚水ポンプのスイッチを入れるのが遅れ、中間ポンプ側のタンクが空になったら、中間ポンプが空転して壊れる。
 急いでスイッチを入れに走り、中間ポンプを見に行った。ところが、ポンプは空転しておらず、圧がしっかりかかっていた。不思議に思ってタンクを見たら、まだ半分以上水が残っていた。下のスイッチを一時間も遅く入れたのだから、正常作動ならすでに空になっているはずだ。
 ちょっと様子を見たら、突然ポンプが止まり、警告音が鳴り出した。慌てて状況確認していたら、二台あるポンプのもう一台側が動き始め、警告音は消えた。確認したら、圧はしっかりかかっていた。
「はて???」 
 念入りに調査したが、俺には原因が発見できなかった。しばらくしたら、再びスイッチが切れて、警告音が鳴り始めた。今度は、なかなかスイッチが入らない。しばらくして、また最初に動いていたポンプが回り始めた。これでは、一時間経っても、タンクが空にならなかったのがうなずける。もし、普通にスイッチを入れていたら、普通に水があふれ出していることになる。何十万円もした基盤が、おかしくなっていると思われる。
 
 送れて牛舎に行き、あずさと宝太郎にミルクを飲ませ、コクシジュウム治療薬のバイコックスを、注射器で飲ませた。
 今日も、やることがいっぱい溜まっていて、どれから手を着けるか迷った。 
 黄色81はるみは、足が悪くて保養のために連れてきていたのだが、跛行も治ったので、削蹄してから大浦放牧地に連れて行った。
 昨日、妊娠が確認された黄色29けいことしげよも、妊娠牛を集めた大浦放牧地に移動させた。二頭とも気が弱くて痩せやすいのだが、ここは頭数が少なく牧草が残っているから、大丈夫だろう。
 連動スタンチョン調教中だった緑10タカラを、小屋下放牧地に移動させ、スタンチョンに入らない赤7たらちねを、調教のために小屋に入れた。
 黒島崎放牧地の、赤9はるゆきは、スタンチョンに入らず、なかなか捕まりにくい。ワクチン接種が出来ないので、根気よく追い詰めて首にロープをかけた後、延々竹藪のなかも追跡して疲れさせたところを、捕獲した。そのまま、牛舎に連れ帰り、ワクチン接種。臨月なので、そのまま出産までいてもらう間に、スタンチョン調教をしよう。
 登次郎とふじつぼを、超早期母子分離して、人口哺乳をスタートした。
 電柱牛舎前には、小屋下の牛たちが集まり、糞が堆積して歩くのも困難だった。今日、ホイルローダーで除糞した。
 緑10たからと、黄色38やすひらしげが発情していた。緑10は出産直後なので見送り、黄色38やすひらしげに金幸福を着けた。