体重測定 防疫訓練

体重測定日だ。荷造りをして、ホテルを出た。三島村役場は、鹿児島市内にある。そこへ、十島村と共同で頼んだマイクロバスがやってくる。鹿児島市内に車を持っていない人たちは、このバスで伊集院の鹿児島中央市場に向かう。
 到着したら、早速着替えて、部屋の牛を捕まえ、所定の場所に引いていく。今回の牛は、あまり大きくないので、ちょっと憂鬱である。
 俺の牛から、体重測定が始まった。美津太郎は、290kgちょっとだ。問題児のつなみは、250kgに満たなかった。大きくなる子は、おおらかで神経質では無い。愛太郎は320kgあったが、日令も311日だからあまり大きくない。静四郎は人懐っこいのに、260kg台だっけかな? ちょっと悲しい。なおこは、266日だけど270kgはあったかな。
 体重測定や競りは、俺の仕事の通信簿みたいな物で、しかも収入を左右するから、結果に一喜一憂する。 
 競り前研修では、口蹄疫などに対する、防疫訓練だった。
 まず、宮崎で起きた口蹄疫のビデオを観た。自分の大切な牛が、このような処分されてしまったら、正常な精神ではいられないかもしれない。ここでは、自分がどれほどその個体に対して愛着があるなどいうセンチメンタルな言い分など関係なく、機械的に殺処分されてしまう。離島は、防疫しやすいが、ひとたび起これば島ごと殺処分になるから、ちゃんと用心しなければならないと思った。
 次に、防護服の着方を習った。出来れば、着たくないと思った。