初めてのスマートフォン

 鹿児島では、いつも遅寝早起きだ。ダラダラ過ごす。
 今日は、体のメンテナンス後、レンタカーで馬事公苑に行く予定だったが、空車はなかった。仕方なく、歩いて整形外科に行き、猫餌など買った物を、港に運んだ。重かった。
 映画、山本五十六を観ようと思っていたのだが、携帯が壊れそうだったので、機種変更の相談を優先させた。
 俺は指が太いので、スマートフォンには向かないかもしれない。だが、親指の先が切れてギザギザしているので、普通の携帯も得意では無い。だから、試しに挑戦してみようかと思っていた。一時間半くらい、説明に時間がかかると言われたが、特に決まった予定は無い。じっくり話を聞くことにした。
 俺の求める条件は、牧草の中で落としても目立つ色、汚しても洗える防水性、落としても割れない耐衝撃性だ。純粋にそれを求めたら、スマホは買えない。保険とか、防護カバーとかシールで、どこまでしのげる物だろう? いろいろ悩んだが、新しい物に尻込みしがちな自分を反省し、挑戦してみることにした。鮮やかな朱色にこだわったら、機種はレグザに限られた。
 なんだかんだ教えてもらっていたら、三時間半ほど話をしていたことに気がついた。俺も疲れたが、仕事のお姉さんも大変だっただろう?

 そんなことをしているとき、牧場ではひめこ(金幸←平茂勝)が元気な雌子牛(華春福)を出産していた。名前は、ふじつぼにした。
 アメリ、マドンナ、リンカ、栄子太郎を、大牛舎に引っ越しさせた。
 スタンチョン訓練中の白5かねふくを、灯台下に引っ越しさせようとしたが、どうしても小屋下放牧地が良いと行って聞かず、そのまま小屋下へ・・・。
 出産後、超早期母子分離のショックから立ち直った緑10たからは、スタンチョン経験が無いので、訓練部屋に移動した。同じく超早期母子分離の緑8たまこは、灯台下に戻した。

 何となく、鹿児島ミッテに行った。
 山本五十六は時間が合わず、源氏物語が始まる直前だったので、そちらに決めた。
 紫式部が、道長に言われて物語を綴る所から始まるのだが、俺は物語の中に引き込まれていった。
 六条御息所は、情が深く生き霊となってしまうところや、葵が出産したとき、自分は母親の愛を知らずに育ったから、自分の子供が母親に愛されて育つのを見て自分も大人になれると言った(?)所など、俺の琴線に触れ、しみじみ観た。
 良い映画だよ!

 ホテルに帰ったら、スマホの勉強をしたのだけれど、ベンジャミンバトンを観てしまって、それからスマホをいじり始めたら、今日も2時を過ぎてしまうのだった。