1月市場出荷の日

 7時になっても放送が入らなかったので、片道日帰り航海で船は出ることになった。俺にとっては、初めての経験だ。
 水道ポンプのスイッチは、7時半に入れる設定にしてあるのだが、10分前に入れてみた。ポンプスイッチのシステム上、安全に運営するには、井戸側のポンプを中間ポンプよりちょっと長めに回すようにしておかないと、空転させてしまったらポンプを壊してしまう。そのために、水があふれることがあるが、仕方ないと思っている。
 でも、あふれた水は、林道を流れるために村人を驚かせて、電話連絡が入る。その電話で、ポンプの故障に気がつく事が多いのだからありがたいことだが、人を驚かせるのも気の毒だし、電話が入るたびに、故障かどうか見に行かなければならないのも、辛い。井戸側のポンプも、時限スイッチで動くようにしてくれたら、あふれる水も少なくてすむのに・・・。
 片道日帰り航海だと、牛の積み込みはお昼前に済ませれば良いので、時間的には楽である。丁寧に、ルーティンワークをこなしていた。
 運搬用のトラクターは、恐れていたとおりエンジンがかからなかったので、延長コードを三本つないで、充電器を仕掛けようとしていたら、引っ張ったはずのコードが無くなっていた。
 不思議に思ってコードを引いた先を調べてみたら、従業員さんがせっせとコードを丸めている姿が目に映った(^^ゞ 引っ張り直して、充電した。

 除草係のジョンを、もっと草が生えている場所に移動させていたら、脱走した牛の姿が目に映った(^^ゞ 
 これまで脱走していたイタリアン畑なら、脱走しても道草なんて食べる必要ない。他のところが破られていると判断して調べてみたら、灯台下と採草地の2箇所で、バラ線が切れていた。急いで修復した。
 予定外の仕事で、時間が無くなってしまった。慌てて出荷牛をつなぎ、化粧もくしに交換して、トレーラーに積み込んだ。つなみは、やっぱり協力的で無かった。5頭を、2往復して運んだら、時間が無くなってしまった。急いで荷造りして(前日にやっておけよ!)、乗り込んだ。
 港を出るとき、海は凪いで見えたのだが、恋人岬を過ぎたらうねりが強くなった。体調も良くないので、さっさと寝た。
 黒島の泊港は、とても寂しい港に見えた。一度、上陸してどんな島だか見てみたいな。
 鹿児島に着いたのは、8時過ぎだった。それから、レンタカーで伊集院の鹿児島中央市場まで走る。
 一月の夜なのに、外で着替えても寒くないのは、さすがに南国だ。水飲み場清掃している間に、子牛を乗せたトラックが到着した。一頭一頭引いて、振り分けられた部屋に移した。
 全部終わって鹿児島に帰ったのは、10時30分だった。