柵修理

 風が強く、冷たかった。硫黄島にしてはね・・・。いつも通り、薄着で出かけた。
 今日も、仕事が立て込んでいた。無計画にはじめると、何一つ出来なかったということになりかねないので、事の重要性を分析し、順位を決めて取りかかった。
 イタリアンライグラスの畑に、2頭脱走していた。これを柵内に誘導し、破られた場所を探した。すると、以前修理した場所なのだが、支柱の錆がバラ線を錆びさせて、切れたことが解った。
 広大な放牧地の柵は、ほとんどバラ線なのだが、支柱はかなり錆びていて、その錆がバラ線を錆びさせている箇所は、かなり広範囲に広がっている。錆びた支柱を抜いて、新しい支柱に替える作業は、一人ではかなり困難と思われる。遠くない未来、かなり大がかりな改修工事が必要になるから、杭抜き等、準備しておかないとダメかな?
 大浦に行ったら、全員集まっていた。脱走がいないのを確認して、飛行場金網の補修にいった。
 錆びた金網に、バラ線を使って穴を補修しても、錆が移ってすぐに穴が空くと思われる。金網の前に支柱を立てて、バラ線の柵を作る手もあるけど、もし金網の改修工事をすることになると、とても邪魔だし無駄なゴミや仕事を増やす。村と、ちゃんと話す必要がありそうだ。
 俺の持っていたバラ線は、全部使い切ってしまった。

 除角で、妊娠しているみずほに麻酔をした。毎年100頭も妊娠牛を除角している人が使っている麻酔薬で、これまで流産していないという事なのだけど、緊張する。
 みずほは人懐っこい牛で、警戒心が薄いからか、倒れ込むのは早かった。でも、やはり途中から立ち上がったりした。ギリギリの麻酔しか使っていないからなのだが、子牛への影響を心配すると、あまり使えない。
 角の根元を紐でしばりあげて止血し、パイプカッターで除角したが、だんだん切れなくなってきているし、角が太くなりすぎている。切断面は、とても綺麗なのだけどね。
 コテで焼いて止血した後、麻酔中和薬を静脈注射した。すぐに意識は醒めるのだが、しばらく繋いで安静にさせた。

 漁協の新年会に行った。おもいっきり遅刻して・・・。