従業員さんは、たいてい俺より先に来て、仕事を始めている。俺は、まだ着手していない仕事の中から、順次始めることになる。
 今朝は、昨日哺乳ロボットデビューした二頭を、ロボットの乳首に誘導だ。二人とも、俺を見つけると飛んできて、股間に吸い付いた。一頭ずつロボットに着けて、口の中に餌を入れてやる。
 次に、小屋下放牧地の連動スタンチョンに、牛を入れた。12頭中11頭まで入るようになった。入りにくい牛のために、頭の入り口を少し開いてやった。けいこだけは、ロープで引っ張って入れ、多めの餌と牧草を与えた。
 ほ乳瓶を卒業した二頭より、春金太郎の方が断然でかくて、良い体型をしている。でも、でかい牛は鈍くさい。ほ乳瓶でミルクをやるが、飲むのはあまり上手くない。
 ルーティンワークから外れて、ミルクロボット小屋の風よけを作った。けっこう開口部が大きいので、雨が降れば降り込むし、風が強い日は、子牛が可哀想だ。そこで、支柱を立て、ベニヤと防風ネットで、換気を維持しつつ、強い風や降り込む雨が、子牛に当たらないように工夫した。
 愛太郎と美津太郎に、鼻輪を着けて、削蹄やブラッシングをした。牛床が乾燥してだいぶ経つので、洗ってやる必要が無く、毛づやも良くなってきたかな? 蹄が乾燥したため、堅くて削蹄するのが大変だったけど・・・。

 犬たちを引き連れて、湾放牧地に散歩に行った。
 草の生え具合を見に行ったのだが、バラ線がバラバラになっていて、牛は崖際まで遊びに行って、餌を食べたあとがあった。散歩は、突然修理作業になった。
 バラ線がちぎれた理由は、急速な腐食だ。昨年夏に修復したとき、まだ使えると思って残してきた線が、ボロボロに錆びていた。新しい線を張り直す。
 ・・・文章で書くと、なんとあっけないことか・・・