心地よい時間


 オリヒメもヤスヒラシゲも、連動スタンチョンに入れるようになったらしい。しばらく慣れさせたら、放牧地でも餌を与えることが出来るだろう。そうしたら、他の連動スタンチョン適正の悪い牛を、順次調教していこう。だんだん、俺が目指している形になりつつある。
 鹿児島では、なぜか眠れない。1時に就寝したのに、2時に目が覚めた後は、全然眠れなくなってしまった。別に眠らなければならないわけではない。疲れていたら眠れるのだ。ゴロゴロと、布団の感触を楽しんだ。
 いつものカフェで、朝食を取った。このカフェには、輝くような営業スマイルの店員さんがたまにいるのだが、今朝は久しぶりに拝顔することが出来て、ラッキーだった。
 レンタカーを24時間借りることにした。
 頼まれたCDを探して、あっちこっち走り回った。その後、コンビニで地図を立ち読みして、川辺の馬事公苑に、友人を訪ねて走った。
 浜競馬に出場する島馬やポニーを、訓練していた。体重100kgちょっとの小さな馬に、75kgの友人が乗って、ちゃんと走るのだから、馬はすごい!俺も乗ったが、競馬用の極端に短いあぶみに足を入れるのが辛かったので、胴を膝でホールドして、早足だけでコースを一周した。調教中ということだったけど、軽い手綱さばきで、思い通りの動くことが出来た。こういうのも、楽しい。

 夜BBQをするために、テーブルの上で和牛を溶かしていたのだけど、気がついたら上カルビの包みが無くなっていた。
「猫だ!」
「でも、猫が肉を食うか?」
食うんです!肉の捜索が始まった。
「猫がたまりそうな場所は無いですか?」
Aくんが、猫がいつもたむろしているベニアの陰から、上カルビを発見した。
「焼いて食うから、大丈夫だ!」
さりげなくゴミを払い落として、回収した。

 笠沙の友人宅に移動し、いざBBQだ。
 みんな、すでに焼き方はマスターしていたので、それぞれが、自分の食べる速度に合わせて焼いた。美味しく食べて、楽しくしゃべって、心地よい時間が流れていた。