花を植えた

 五十肩の治療と、足や腰のメンテナンスのために、何とか明日鹿児島に行きたいと思い、必死に頑張ってきた。でも、なかなかはかどらないんだ。
 獣医さんが来るから、その準備をしなければならないし、他にも俺がやらないと進まない仕事はいっぱいある。
 自業自得なのだが、前回競りで鹿児島に行ったとき、アリッサムの苗を買ってあった。例によって、植える暇が無いので放置してあったのだけど、従業員さんが古タイヤに堆肥や土を入れ始め、今日中に植えると言い出した。とても辛そうにしているから、手伝わないわけにいかなくなった。
「今やらなくても良いだろう!」
何度も進言したのだが、聞き入れられることは無く、結局植えてしまった。一言言わせてもらうなら、大型トラクターのタイヤは、小さなアリッサムを植えるには過剰装備だ。猫車に十数杯の土を運んでいたと思う。
 せっかく植えた花だけど、農業用猫のソラが、『良いトイレが出来たニャ〜!』と言っていて、従業員さんを悲しませたのであった。

俺は、腐った柱を二本交換した。
 柱の脇にジャッキを置き、その上にちょっと短い柱を置いて、桁を支える。柱を抜き、ちょっと長めに切った柱をたたき込み、ジャッキを外す。意外に面倒くさい。


 船が来て、サンダーの刃を探したのだけど、見当たらなかった。実は二日前の船で届いていたそうだ。事務所から出てきた。従業員さんも俺も伝票をもらっていないから、探し出せなかったのだ。
 早速、サンダーの取り付けて、支柱を切ってみた。すると、今までの刃とはまるで違う切れ味だ! 火花の出方もまるで違う。これまでは、一本を切るのに30分もかかって、一枚の刃で一本しか切れなかったのだが、専用の切断砥石は、一枚で4本の支柱をあっという間に切断した。仕事の質は、道具に左右される。
 火花がすごく、裸眼では失明するので、ちゃんとゴーグルをかけた。皮膚に直接火花がかかると、やはりチクチク熱い。服を着ている所でも、大量の火花がかかると、けっこう熱くなり気持ち悪いモノである。

 獣医さんが来て、5種混合ワクチンを12頭に注射した。もちろん、ロープを首にかけて、一頭一頭捕まえるのだ。つかまった後は、わりと大人しく注射されていたけど・・・意外に力仕事である。
 妊娠鑑定を二頭してもらい、二頭とも妊娠していた。