電柱牛舎に、連動スタンチョンを

 雨が降っていた。ポンプ小屋まで小走りに行き、確実にスイッチを入れてから、コーヒーを飲み、牧場に出かけた。ところが、牧場では水が出なかった。またエラーかと思って中継ポンプ小屋まで走ろうとしたが、丘の上のタンクの水位は、確実に高くなっていた。ポンプは正常に作動しているのだ。
 水が出ない理由は、どこかで深刻な漏水があり、水道管内に入った空気が、水の流れを阻害している。空気抜きの操作をしてみたら、水は出たのだけれど、ちょっと元気がなさ過ぎる。
 雨で、屋外作業が無くなったので、K君が来てくれた。俺は、電柱牛舎に連動スタンチョンの支柱を立てる仕事を、14日までに終わらせなければならなかった。せっかく助っ人がいるので、工具を集めて作業に取りかかってみた。
 支柱を立てるには、飼槽の底に穴を空け、中の砂を出せば良いはずだった。ところが、振動ドリルとハンマーで穴を空けてみたら、飼槽は二重底になっていて、25cm以上の深さの穴を空けるのは、困難だった。支柱は30cmの穴を要求しており、5cm深く掘るか?5cm支柱を切るか?
 コンクリートに穴を空けるピックがあると聞いていたが、それらしいモノは見当たらない。ただの振動ドリルでは、小さな穴を空けるだけなら可能だけど、支柱を埋め込むような大穴は、ちょっと困難だ。
 支柱は、牛が暴れてもビクともしないほど頑丈な鉄骨で、サンダーの切断砥石一枚を使って、30分以上の時間をかけ、ようやく一本が切断できた。ディスクは、何枚も無いぞ!支柱は10本!終わるのだろうか? 
 とりあえず、二本分の作業が終わったが・・・