出荷準備

 従業員さんが一人で出かけたので、俺は娘さんのお守りをすることになった。俺の部屋は散らかりすぎだし、テスト勉強するというので、俺が出向いて行って夕食を作ったりしたが、どこに何があるのかわからず、難儀した。
 自宅でないと、俺はどうも早起きになってしまう。なんか重たいと思ったら、カイトが布団の上で寝ていた。

 朝、とりあえずポンプのところに行った。俺が留守の間に、中間ポンプの制御盤がおかしくなっていた。人が変わっただけで、調子が悪くなるのは、システムがヒューマンエラーしやすい不完全なものだからだ。なんとか復旧させたかったが、異常を示すランプが着いており、リセットボタンを押したり電源を切っても、消えなかった。タイムスイッチは機能しており、時間になるとカチッとスイッチが入る音がするが、制御板が異常を感知しているので、ポンプは動かない。仕方なく、手動スイッチで動かし、2時間後に止めに来ることにした。
 一人で淡々と仕事をするのも、嫌いではない。修理や牧草収穫などの外仕事が入らなければ、それほどきつい仕事とは思わない。時間配分を考えながら、一つずつこなしていった。
 とりあえず、削蹄が終わっていなかった二頭を、削蹄した。体も、ブラッシングしなおす。その後、出荷牛6頭のもくし(おもて)を、出荷用のものに取り替えた。これで、出荷準備は整った。
 緑1番みたからが、発情していた。種付けは、明日だ。