風は嫌い!

 昨夜も、出産は無かった。監視カメラの出産監視と違い、メールが来るまでは眠っていられるのが、牛温恵の偉いところだ。だが、体温低下があったのに、なぜ生まれないのか?
 メーカーの人に聞いてみた。考えられる原因は、二つ教えてもらったが、とりあえず内診してみることになった。センサーを取り出し、良く消毒した手を入れよう・・・としたところで、脱糞! 洗い落として、もう一度チャレンジ。胎児は、生きていた。だが、まだ奥の方にいる。もうちょっと、時間がかかりそうだ。
 仕事がはかどらないとき、焦る気持ちを抑えるのは難しい。
 午前中の早い時間、風はあまり強くなかった。急いで行きたいが・・・。
 フォード6600に、ロールべーラーを取り付けて、湾採草地に向かった。ファーガソンに着けたテッターレーキを使って、草の列を作っていく。北風だったので、草の列も南北に作った。
 レーキしている間に、風がどんどん強くなっていき、終わるころには風向きは北西に変わっていた。集めた草の列が、どんどん崩されていく。諦めたら、また最初からやり直しになってしまう。また、このまま置いておくと、乾く片っ端から風で飛ばされて、竹藪の中に持って行かれてしまうのだ。
 ブツブツ言ってもしょうが無いので、できる限り巻き取ることにした。でも、途中から、レーキしたのか解らないような場所が多くなってしまった。昼飯抜きで、作業を続けていたら、従業員さんからおにぎりの差し入れたあった。食べた後も作業を続けたが、機械が吸い込もうとする乾草が、吸い込まれる前に飛ばされるほどになったので、断念した。悔しいなぁ!

 牛舎に帰り、200V大型扇風機と、インバーターコントローラーの配線工事をした。扇風機自体は、先日繋いであったので、後は電源とコントローラーを繋ぎ、柱に固定するだけだ。
現在、200Vは哺乳ロボットに使用中なので、ミルクを吸っているときに電源を切ったらまずい。大元のブレーカーは、遠い事務所の電柱に・・・。工具やブレーカーの取り付け等の準備が終わった状態で、ロボットのミルクを吸う権利がある子牛が無いことを確認して、一気に走って電源を落とした。これまで、直結で繋いであったケーブルを切り、ブレーカーに接続した。そして、一旦哺乳ロボット小屋に向かう電線を、接続して、大元の電源を入れた。
 次に、コントローラーボックスを取り付け、信号線やアース線、AC200V単相の線を繋ぎ、ブレーカーを落として線を接続した。ブレーカーを入れたら、コントローラーが光り、スイッチを入れた・・・・ 
 あれ?回らない?三相の200Vは、三本の電線が来ているが、この線を主電源から引っ張ってくるとき、取り違えたのかと思って組み合わせを変えてみたが、結果は同じだった。
 家に帰り、故郷の親父に電話で聞いてみた。電気保安会社を営んでいる親父は、図面をファックスして一言、
「信号線の接続を、間違えてないか?」
線自体の接続は、リングスリーブで確実につながっているし、高所作業では間違いようが無い簡単なモノだった。でも、信号線は二本しか無いのに、接続する穴は三つ空いている。遊ばせるはずの穴に、間違って入れたかも知れない。明日、早速確かめてみよう!