モトツボクミコ出産

 昨夜は、ちょっと風邪気味だったし、夜中のお産になるかも知れなかったので、早めにベッドに入った。
 目を覚ましてすぐに、携帯を見たが、駆けつけ通報は来ていなかった。念のために、牛温恵のグラフを見たが、まだ体温が表示されていた。
 牛舎に行ったら、クミコの陣痛はすでに始まっていた。敷きワラを足したり、ウーティンワークをしながら、お産の進行を観察した。
 昨日、超早期母子分離した子牛は、歩くのもおぼつかない足取りだった。朝分離したのだが、夕方になってもミルクを吸えない。体温は高くないが、これは病気だ。抗生物質を、注射しておいた。今朝は、ちゃんと立ち上がっていて、ミルクも飲んだ。体も、熱くなっていた。発熱したのは、良くなっている証だと思う。
 下痢の丸美太郎に、静脈注射をして体を綺麗にしていたら、モトツボクミコ(平茂勝←北国7の8←安福165の9)の二次破水が起こった。手を消毒して内診したら、前足と頭が確認できた。太い!大きな雄だ♪ 前足が出てくるまで、さらに我慢した。
 両前足が出たので、助産を開始した。初産なので産道が狭く、なかなか産科ベルトを掛けることが出来なかった。一応、手で引っ張ったが、ビクともしなかった。
 従業員さんに、滑車の使い方を覚えてもらう。滑車の紐が絡まると、使い物にならないから、一度慣れてもらう必要があるのだ。8倍の力で引っ張れる代わりに、8倍の長さを引かなければならない。だから、紐が長くて絡まりやすい。
 自分でやりたいところだけど、俺は補助に回って、子牛を引っ張り出してもらった。出てきたのは、45kg以上はある大きな雄子牛だった。名前は、久美太郎(北平安)。
 モトツボの系統だし、北海道ならトップを狙えるかも知れない血統なのだが、北平安を知らない鹿児島中央市場では、雌より安いかも知れない。モトツボ狙いの飛騨牛○○さんが、こっちに来てくれたらなぁ!とにかく、大きくしよう!

 フォード6600の修理が終わり、エンジンがかかるようになった。やれやれ・・・。