注射な日

 昨夜は、なんとは無しにベッドに倒れ込んだら、そのまま夜中まで寝てしまった。久しぶりのお気に入りベッドは、気持ちよかった。
 早起きして、港に行った。伊勢エビ漁を終えて帰った船がいた。漁は、まぁまぁとか・・・。
 作業開始!
 作業しながら、治療するべき牛をチェックしていく。今日は、獣医さんが来ることになっているが、基本的には自分の牛の健康は、自分で守るのだ。
 従業員さんは、炊き出し(?)にかり出されて行ってしまったので、見回りから一人になった。湾の牛は、とても人懐っこくなっていた。どの牛も、体をすり寄せてくる。これは、従業員さんが日頃よく撫でていたということだ。
 大浦の牛は、4頭しか集まらなかった。最近は、雨続きと忙しさで、見回りが出来ていなかったらしい。種付けもずっと空いており、来年生まれる牛が少なくなり、その減収は再来年に牧場を襲う。キャー(^^ゞ
 見回りしてみたら、あっちこっち壊れていて、早急な修理が必要だった。 
 他にも、修理を待っている物は沢山あった。
 切り草を作るカッターは、スイッチを入れても動かなかった。調べてみたら、途中のチェーンが伸びきって、すぐにギアに噛んでしまうようだ。苦労して外し、固着したギアを注油したりぶっ叩いたりしながら、外せる方だけ交換した。ちゃんとしたいが、時間も限られているのだ。試運転で切り草を作り、ちび子牛たちに与えた。
 獣医さんが来たので、一緒にワクチン接種をした。
 逃げ惑う子牛たちを、ロープで捕まえて押さえつけるのが、俺の役目だ。いずれも200kgを超えているので、力だけでは押さえきれず、力を過信すると怪我をする。十数頭、注射した。ついでに、咳をしている子牛に、抗生物質を注射。
 子牛登録の為に、20頭くらいかな?捕まえて、ヘッドロックをして、鼻紋をとった。
 さらに、湾放牧地に行き、新しく導入した牛たちを母牛登録するために、鼻紋取りをした。スタンチョンが無い湾放牧地で捕まえるには、人手がいる。まだ角が生えているから、投げ縄を角に引っかけて捕獲し、鼻紋取り隊の人に確保してもらった。枠場も無いので、支柱に縛り付けたのだが、いずれの牛も大人しく、なんでこんなに大人しいんだと、驚かれた。優しくしてるから? ついでに、妊娠鑑定をした。竹島から来たももか(安福久)は、百合茂を妊娠していた。ふくひめ(勝忠平)は、安福久を妊娠していたが、ハナコ(第一花国)とふくこ(勝忠平)は、受胎していなかった。
 真っ暗になったのだが、牛舎作業だ。車のライトを頼りに作業した。
 九月踊りを見に来いと、従業員さんは言っていたが、すでに終わっている時間だった。
 
 今夜は、外食したかったなぁ。今更、ご飯を炊くのも面倒だし・・・。冷凍庫を引っかき回して、あるものを食べ、シャワーを浴びたら、また寝てしまった。今は、夜中の三時である。