授業に出られない!

 船が出るか?飛行機が飛ぶか?解らないが、今は出来ることをするしか無い。
 雨は激しく降ることもあるが、傘が必要だったのは朝の数時間だけで、8時頃になったら青空も見え、風もあまり吹いていなかった。年末の荒天から比べたら、比較にならないほど静かだった。
 船は、欠航したと連絡があった。Yahooの波予報通りなのだが、島の周りの海はそれほど高波では無い。船で来るはずだった3トンのエサが届かないため、一週間後まで在庫のエサを保たせるためには、子牛全体にダイエットをさせなければならなくなった。もちろん、親牛にやるエサが無いので、見回りに行っても集まってくれなくなると思う。
 パイロットさんからも、連絡があった。飛べないかも知れないと!俺は絶対に帰ってこなければならないと言ったとき、大丈夫と言っていたでは無いですか?しかも、それほど荒れてないでは無いか!でも、空港管理人から、かなりの雨と風だと報告を受けているようで、雨でタイヤが滑ったら、滑走路が短いから止まれないと言っていた。日が差して、アスファルトは白く乾いているのに・・・。ときおり風が強いときもあるが、無風といえる時の方が多いのに・・・。
 でも、人命を預かる仕事だし、事故を起こしてしまったら、それでお終いなのだから、それ以上口を挟むわけにはいかなかった。
 でもね、3時頃から大荒れになるという情報が入っていると言っていたが、11時から5時まで、路面がうっすらと濡れる程度の雨がときおり降るだけで、日差しが指したり青空が見えたり、風もそれほど強くなく、飛べそうな天候だった。明日からの授業に出られないので、受精師の免許は駄目かも知れない。それでも、従業員さんが体調を崩し、牧場の経営が危ない状態なら、無理してでも帰って牧場を守るべきだと、俺は思っている。駄目だったら、来年とるさ!その前に、人を雇って三人体制にしないと、また同じ事になる。