エサが足りなくなる?

 休み無く働いていた従業員さんを休ませるため、いろいろ計画を立てた。さすがに、仕事が貯まっているので、丸一日は無理だ。午後から休んでもらうために、午前中から頑張った。滞在中に片付けなければならない仕事をリストアップして、優先順位を決めて取りかかった。
 お産の済んだ牛を、牛舎から出したり、灯台下で我が物顔のももかを、モトツボと一緒に黒島崎に移動した。大浦からは、緑の1番を引っ張って帰った。牛舎でお産を待っているのに、センサーが入っていない母牛に、センサーを取り付けたり、電柱牛舎に空きを作って哺乳ロボット小屋から2頭移動させたり、ついでに電柱牛舎の敷きワラ交換をしたり、頑張った。
困ったのは、発情した黄色12番を捕まえようとしたのだが、ロープを首にかけたまま、全力疾走で逃げてしまった。あまりに潔いダッシュをするため、ロープを何かに巻きつけようとしても、間に合わないのだ。人手が欲しい。捕まらない牛は、飼っている意味がないなぁ。

 島の人たちは、明日、代船のとしまは来ないと思っている。
 俺がわざわざ飛行機をチャーターしてまで来た理由に、19日に船で到着するはずの餌三トンを餌タンクに入れる仕事があった。島の人たちにとっても、船が来ないと、食べるののが無くなり、かなり致命的な痛手を被る。船が来なかったら、学校給食が作れなくなり、お昼は自宅に帰って食べるよう、すでにプリントが配られている。
 みんなの要望があっても、転覆の危険を冒してまで、出港しない。3mの波で欠航するみしまに対し、としまは4mくいの波でも、出港する船らしい。
 俺が船の出港を願うのは、エサ袋の到着を待っているだけでは無く、もしも悪天候で明日のチャーター機が着陸できなかった場合、日帰り運行するとしまで帰ることが出来るからだ。帰らないと、人工授精師の免許を取り損なってしまう。どちらか来ますように!