初めての、チャーター機

 いろいろ問題があるのだが、約束した10時に飛行機が飛ぶので、それを最優先しつつ行動した。
 ハイラックスサーフは、営業時間になるのを待って、電装屋さんに電話して、引き取り修理してもらう算段をつけた。ホテルには、あらかじめ鍵を渡して、業者さんが来たら、引き渡してもらえるように話を付けてあった。障害はあったが、離陸するまでに、すべてクリアーしたよ!

 バスに乗り込む前に、モスバーガーで昼飯を買い込み、ミスドでドーナツを50個買った。空港までは、一時間弱。約束より早く到着し、ライスバーガー(?)とコーヒーの朝飯の後、パイロットさんに電話して、迎えに来てもらった。真っ赤なフォルクスワーゲンに乗り込み、軽飛行機の航空会社に連れて行かれた。格納庫内には、見覚えのあるセスナだけでなく、小型の双発ジェットもあった。
 約束した時間になったので、4人乗りセスナに乗り込んだ。ベテランパイロットが乗り込んだが、今日の操縦は若いパイロットだ。小さなセスナは、ジェット機の離着陸の合間に、同じ滑走路から飛び立った。

 このセスナのエンジンは160馬力とか・・・。戦時中、非力なエンジンと言われていた零戦が1000馬力、零戦キラーと言われていたグラマンが2000馬力だ。さすがに、国家の技術の粋を集めた戦闘機は、70年も前なのにものすごい性能である。
 飛び立つとき、横風を浴びて、ふわふわと揺れた。そして、風の隙間を縫うように、ひらりひらりと高度を上げていった。
 雲は立体的に広がっており、所々大きな雲の塊があった。有視界飛行のセスナは、雲を避けながら飛んだ。大型の飛行機と違い、地上の景色や雲などが、とても身近に感じられた。
 最高速度250km/h程度の機体だが、渋滞も無いので早い。機は、雲に突っ込み、ホワイトアウトになりながら、徐々に高度を下げ、高度300mくらいで雲が開け、硫黄島が見えた。すでに、硫黄岳より高度が低い。滑走路の北からやってきたのだが、風も北風に近かったので、ぐるっと回って南から進入。恋人岬をかすめて進入経路に入ったが、崖際ギリギリのところで、海から吹き上げる風に機体が揺らいだが、滑走路へは静かにランディングした。

 早速仕事である。まず、大牛舎の敷きワラ交換をした。堆肥舎がめいっぱいなので、ホイルローダーに使えるようになったばかりの人では、まだ任せられないのだ。一週間貯まった糞尿は、泥濘状態だった。まだ吊していないが、大型扇風機が稼働したら、床が乾いて今のような悪環境は、解消されると思う。
 敷きワラを剥いだり、新しく引いたりしている間に、留学生のお手伝い君が、出荷牛を洗ってくれた。これは、時間をかけなければ毛が剥げてしまうので、とてもありがたかった。蹄の伸びた子牛は、削蹄した。