入院できない従業員さん

今朝は、片道日帰り航海で、フェリーみしまは出航した。出航前に、クーラントとカレーパン、猫餌を、コンテナに入れてもらった。
 島では、帰れなかった俺の代わりに、汚れた出荷牛を洗い、コンテナに積む作業をしてくれた。ありがとうございます。
 ということで、今夜は夜遅くに、港に到着した子牛を、伊集院まで連れて行かなければならない。
 従業員さんは、まだ胃腸炎の症状が残ったままだが、熱はちょっと下がったそうだ。家で寝ているべきなのだが、牛のことが心配で、結局牛舎に行くことになってしまった。
 牛の世話は、普段からやっていないと、口で説明受けただけで出来るほど、簡単ではない。量の増減を教えたり、牛を押さえたり、休んでいる暇が無いらしい。

 一旦ホテルをチェックアウトして、桜島に渡った。ハイラックスで、片道1480円だ。湯の原展望台に登り、まだ朝の光に輝く市内を、見下ろした。ちょうど、フェリーみしまが、出航する所だった。俺は、高いところが好きで、箱庭のような風景を、しばらく眺めていた。
 涼しくて静かだったので、勉強しようと思ったが、なかなかできるものではない。読書に切り替えた。
 長い間のんびり過ごし、垂水の桜勘という店で、カンパチの刺身定食を食べた。

 夕方、ようやく腹を決めて、ホテルを取り直した。
 船は、9時10分に入港した。コンテナの子牛たちは、俺を見て擦り寄ってきた。特に、武蔵、小次郎の双子や、竜之介は、犬のように親しみを込めて舐める。それを、運搬用トラックに積み替え、伊集院に向かった。本当は、鼻輪を着けるべきなのだが、今回連れてきた5頭は、引き綱にほとんど抵抗を示さなかったので、鼻輪はいらないという判断だった。捕まえるのも、安全で楽である。いつも、こういう牛を生産したいと思っている。