島に帰れた!

 なんだか、三時には目が覚めてしまい、ダラダラとベッドの上で暇を持てあます。Yahooの波予報などを見てきを揉んだが、七時になって役場に電話したら、船は予定通り出港することに決まっていた。良かった。
 島に帰る船の上で、俺はずっと焦っていた。たった一日で、貯まっている仕事をかたづける事が出来るだろうか?
 錦江湾を出て、船はちょっと揺れ始めたが、思ったほど揺れなかった。

 弁当を食べて、作業開始!
 まず、子牛用のエサ5トンを、牧場に運んでエサタンクに入れた。タンクに入りきれなかった1トンは、ネズミに食われないよう、サイレージタンクの中に袋ごと仕舞い込んだ。
 元気君という、子牛餌付け用のエサも無いと、報告を受けた。急いで電話しようとしたが、今日は土曜日だった。
 届いていた部品で、ファーガソンを修理した。締め付けトルクには、神経質にならざるを得なかった。前回だって、力任せに締め付けたわけではない。軽油が漏れるから締めたら、ガラスのカップがいとも簡単に割れた。だから、簡単に締め付けた後、燃料漏れをしないぎりぎりのトルクで、軽くしか締められなかった。ちょっと不安。
 もとつぼ・りんかを、哺乳ロボット小屋に引っ越しさせた。
 栄子太郎は、舌がとても不器用だ。通常は乳首を包み込むように舌を丸めて吸うのだが、彼は舌が外に出て折れ曲がっている。当然飲む速度も遅く、もとつぼリンカの1/3の速度でしか飲めない。これでは、哺乳ロボットからミルクを吸い出す力が無い。出の悪い乳首を使って、吸う練習をしてもらわなければならないかな?
 大牛舎の床を、前半分だけ剥がして、新しい敷き藁2ロール分を敷いてやった。

 一人で留守を守る従業員さんのために、黒毛和牛のすきしゃぶをした。野菜は手に入らないかと思ったら、奇跡的に白菜と長ネギが島で売っていた。
 北海道では、冬に暖房を効かせた部屋で、汗を流しながらアイスを食べるのが贅沢なのだが、それに対抗して、夏に冷房を効かせた部屋ですきしゃぶだ。甘くておいしかった!