念願の出産シーン

 こんなに長く寝たのは、久しぶりだ。
 4時半に、牛温恵から駆けつけ通報メールが来たので、サマンサを呼んで急いで出かけた。あたりは真っ暗だ。観察するが、一向に進展しない。色々作業をしているうちに、世の中はとても明るくなったなぁ。
 朝の餌やりが終わっても、全然出てくる気配がないから、おやつ用に買ってあったミスタードーナツを解凍し、朝飯代わりに食べた。
 観察はサマンサに任せ、俺はファーガソンのパンク修理を始めた。雨が降るという予報が晴れに変わったので、出張に出かける前に、牧草を収穫しようと思ったのだ。大型トラクターのタイヤは、とても重い。ビートをリムから剥がすのも一苦労だ。タイヤレバーでタイヤを外し、隙間からチューブを取り出す。重いので、一つ一つの動作を気合い入れてやらないと、怪我をする。 
 外したチューブは、穴の空いている部分を、やすりで削って、ゴム糊を塗りパッチで穴をふさぐ。穴の空きそうな候補傷があったので、全部パッチでふさいだ。
 ディスクモアの刃を交換した。
 取り付けているボルトは、たぶんインチサイズなのだろう。俺の持っている工具で,KTC の19mmだけが、かろうじてねじを回すことが出来た。他のメーカーの19mmでは、回らないのだ。結構時間かけて、12枚の刃のうち11枚を交換した。ボルトの一本は、KTC のボックスレンチでも、回らなかった。専用のボックスを買うしかないかな? 
 遅々として進まなかったお産だが、10時半にようやく生まれたようだ。見に行ったら、大きな雄だった。サマンサは、朝早くから見ていて眠そうだったが、自然分娩を観察することが出来て、良かったね(^_-)-☆

 俺は、刈り取りに行った。
 刃を替えたので、前回よりはマシになっていた。でも、ちょっと無理がかかると空転していたのだが、もしかしたらギアオイルが足りないのかな?
 順調に刈り取っていたのだが、エンジンの調子が悪くなったので、牛舎に帰った。燃料フィルターを交換したが、途中でエンジンが止まる症状は消えなかった。水温計は上がっていないけど、オーバーヒートかもしれない。水を足そうとホースを引っ張ったら、こぼれた水が燃料フィルターにかかり、急激に冷やされてフィルター下部にあるガラスのカップが割れた。なんてこった!
 これで、ファーガソンが使えなくなった。まだ刈り終えていない牧草や、刈り取った牧草の反転は、どうするんだ?
 家に帰って天気予報を見たら、やっぱり雨が降る予報に戻っていた。なんて、プライドのない天気予報・・・

夕方、孵化したばかりのウミガメを、海に放流する現場に呼んでもらった。子亀は、砂浜を這い、波に飲まれながらも、お気を目指して泳いで行った。大きくなって、帰ってこいよ!

 夜は、ロウニンアジの刺身だった。