20年ぶりの後輩

 大怪我をしたメロンはちゃんと生きていた。点滴をしたが、抵抗するほど元気だった。1.5リットルの補液をしたので、たぶん元気になると思う。朝から牛舎作業をお願いして、俺はロール運びをした。手で転がすのではなく、ホイルローラーで一つ一つ積み上げていく形にした。とても楽だった。やはり農業は機械だな。
 出産間際の黄色20を放牧地から回収し、センサーを入れて牛舎の中にいれた。
 サマンサは、電柱牛舎の一つを除いて5部屋の糞出しをしてくれた。ご苦労様です。
 今日は、大学時代の後輩とその彼氏が来るから、家の中を一生懸命掃除した。でもあんまり綺麗にならなかった。
 久しぶりに会った後輩の女の子は、昔のままの面影を残していた。食事がまだということなので、部屋に帰りクーラーの効いた部屋でそうめんを食べた。そのときから昔話が炸裂してしまい、獣医さんが来ることを忘れてしまい、サマンサに指摘され、慌てて牛舎に向かった。
 すでに獣医さんは牛舎で待っていた。枠場を三人がかりで運び出し、メロンをそこに固定した。獣医さんが治療している間は他の仕事をするわけにはいかず、また獣医さんの治療方法を身につけたいと思い、深い傷口の奥の洗浄を一生懸命行った。
 立ってるものは親でも使えという師匠の厳しい教訓に従い、来たばかりの後輩とその彼氏を敷き藁交換の作業を手伝ってもらった。人数が多いのでとても楽にできた。ありがとうございます。
 従業員さんが帰ってきたくれたおかげで、牛舎作業がかなり安心できるものになった。サマンサもがんばってくれるけど、従業員さんはさすがベテランである。

 仕事が終わり、4人で東温泉に向かった。時々波しぶきを浴びながら温泉につかり、とても気持ちがよかった。帰ってから上カルビを食べた。お肉屋さんがとても良いお肉をいれてくれ、すごく旨かった。みんなも楽しんでくれたと思う。そしてさらにお酒を交えながら昔話が炸裂した。こうして4人の夜は更けていくのであった。
 終わり際、サマンサが糖度12度の甘いマドンナスイカを、俺伝授の美味しいスイカの切り方で出してくれた。円の中心から斜めに切っていくので、すべての切片に中心の美味しい部分が含まれ、薄切りだから出っ歯でなくても食べやすい。糖度が高いので、感動的に美味かった。でも、4人に4kgのスイカは、多すぎると思う。