桜島

 早朝から目が覚めていたが、取り合えず7時に役場に電話して、船が出航するかどうかの確認をした。予想通り、船は欠航した。嘆いても仕方ない。せっかくきてくれたサマンサを、退屈しないように接待しなければならない。
 いろいろ希望を調査した結果、桜島に渡ることにした。
 一人150円で、桜島に渡った。自転車で櫻島一周すると、健脚の男で4時間ほどかかるそうだった。車で一周したことがある俺は、道の悪いところや交通量の多いところがある割りに、見所がそれほど点在していないことから、歩いて港の近くを散策することにした。
 子供の頃は、バイクで高速通過していた旅だった。広い範囲を動き回れるが、実際には通過しただけの旅だった。移動速度が遅くなると、訪れた土地とのかかわりは深いものになる。大人になるにつれ、俺の旅は通過型から滞在型に変わり、より深く接する旅に変化していったなぁ。
 足湯に浸かったり、海岸線まで降りてみたり、話もいろいろできた。
 カヌー友達から電話が入り、合流することになった。鹿児島に帰り、ドルフィンポートで待ち合わせ・・・昼食後、維新ふるさと館に行った。鹿児島が一番輝いていた幕末から維新にかけての歴史資料が、判りやすく展示してあった。
 一旦汗を流し、友達の友達に電話して、初対面同士だったが、グラスを合わせて料理に舌鼓を打ち、話を弾ませたのだった。

 明日の波予報・・・