そんな性格
お嬢さん牛のみずほは、人が大好きで、牛は嫌いらしい。彼女より小さな牛の群れに混ぜたのだが、肩を並べて餌を食べることができず、いつもみんなが食べ終わるまで、後ろで待っている。可愛がられていた彼女は、おっとり食べてもくいっぱぐれることはなかったのだろう。飼槽の前に俺が座ると、近寄ってきて安心して餌を食べる。これは、本物のお嬢さんだ!
それとは関係ないのだが、俺のゴロウは、とても自制心が効いた良い犬だと思う。
だが、彼は黒くてでかい!そのため、必要以上にうるさがられたり敬遠されたり怖がられたり・・・。敏感な彼は、相手の気持ちを和らげようと、サービス精神全開になり、飛びついたり尻尾で叩いたり・・・。
本当は、とても賢く優しい犬なのに、正当な評価をされていない。
「ゴロウは良いやつなのに、損をしている。」
彼をよく知る人が、よく口にする言葉だ。
それに比べて、カイトはかなりの人気らしい。俺以外の人には、あまり興味が無いので、必要以上につきまとわないし、小さいので扱いやすい。
「ゴロウも、カイトくらいの大きさだったら良いのに・・・。」
と言われるが、俺はどちらも賢くて可愛いと思っている。いつまでも、長生きして欲しい。
湾放牧地に進入した隣の牛を、隣の人が捕まえに来ていた。でも、一人でつかまるほど、あまい牛では無いようだ。俺の若牛を三頭引き連れて、藪の中に消えていった。追撃しようと思ったが、激しい雨に遮られてしまった。
その後、飼い主の方が一人で再チャレンジして、何とか連れ戻すことに成功したそうだ。さすがだ。