床掃除

 出荷の前にしなければならないことは、種まき以外にもあるのだ。
 取り合えず、大子牛部屋の糞出しをして、新しいしきわらを敷きたい!ボブキャットで、苦労しながら6部屋分の敷き藁を引っ剥がした。
 先日丸めたイタリアンライグラスの茎は、水分が多かったので熱を持ち始めている。このままではカビるので、大盤振る舞いの2ロールを、6部屋に敷いてやった。機械で運び、大まかに解しておいて、そこからは手作業だ。ヘイフォークで突き刺し、狙ったところに放り投げる。牧草の塊が飛んでくると、子牛たちは飛び退いたり頭で受けたりして、嬉しそうだ。扉を解放してやると、新しい敷き藁の上にヘッドスライディングをする。ゲガしないように!
 大部屋を一つ空けて、電柱牛舎から4頭の子牛を引っ越しさせた。扉を開け、進むべき道を示し、自らの足で移動させる。若い彼らは、新天地に進むのを怖がったが、やがて意を決して新しい部屋に入って行った。広くなった部屋に、とても喜んでいた。
 次に、出荷する姫太郎と茂三郎の削蹄をした。
 敷き藁が分厚いので、蹄があまりすり減らない。だから、今回は後ろ足もしっかり削蹄した。
 茂三郎は、引っ張られるのには断固抵抗したが、削蹄の時足を上げたりするのには、あまり逆らわなかった。一方姫太郎は、驚くほど素直に引き綱に従ったが、枠場に足を固定されるのを、猛烈に嫌がって暴れた。

 島にはおいしい食事ができる料亭もないので、食材を通販で買って、自分で作るしかない。娯楽の少ない島では、重要な楽しみの一つだ。
 先日、冷凍の牡蠣を注文した。でも、なかなか来ないので、注文ミスしたかと思っていた。
 今日、電話があり、港のコンテナの中に、俺宛の宅急便が二つ取り残されていて、一つは冷凍だと…船が来たのは二日前だ。
 駆けつけてみたら、果たして冷凍牡蠣1kgだった。でも、船が来たとき、俺は荷物を受け取りに来ており、受け取った伝票分の荷物は、持ち帰っていた。冷凍の荷物が来ていることを示す伝票は、無かったはずだ。聞くと、その伝票は渡し忘れたそうだ。食べたかったニャ〜!