消えたカラスの謎

 大荒れの天気だった。Yahooの波予報を見ても、太平洋側から大隅海峡を通って三島海域まで、高波の海域が広がっていた。実際に外に出てみると、猛烈な風が吹き、波も高かった。普通なら、絶対に船は出ない気象条件だった。
 しかし、船の欠航を知らせる放送は無かった。硫黄島の冒険ランドには、160人ほどの小学生が来ていて、船が欠航してしまうと鹿児島に帰れず、その食料を確保するのが困難と思われた。
 船の運航は、人命尊重を最優先で決定されるので、頑張って出港したのかな?

 強風でいろんな物が吹き飛ばされ、山鳴りがするほどだった。雨も混じり、労働意欲は低下する。雨が激しくなる前に、見回りを済ませた。
 最近、カラスが大浦放牧地に集まっている。母牛を呼んで餌をやるころから、周りにカラスの数が増え、車を出すと一斉に餌箱に群がり、牛の食べ残しをあさる。
 以前は牛舎に群がり、子牛の餌を盗み食いして困っていたのに、今ではほとんど来ないので助かっている。
 原因の一つとして考えられるのは、カイトが捕ったクジャクの遺体かな?しばらく、カイトの後ろをついて飛んでいたらしい。でも、カイトだって、そういつもクジャクを仕留めるわけでもないのに、いつまでもそこにとどまる理由は、繁殖期に入って大浦放牧地付近に営巣したからかもしれない。
 カラスの害は深刻なのだが、その害を防ぐためには、まず敵を知ることかと思って・・・。

 はるか、もとつぼくみこ、たからの三頭は、まだ胃袋の出来上がっていない若牛として、牛舎で大事に育ててきた。でも、子牛も増えたし、今年導入した次期母牛候補も育成中ということもあって、放牧に出した。最近、体格もよくなってきたし、放牧地の牧草の新芽も伸びてきて、十分食べ物にありつけると判断し、昨日連れて行った。
 今朝見回りに行ったら、ほかの牛に混ざって、走ってやってきた。これから、体調を崩さないよう、健康管理をしてやりたい。

 去勢手術をした。今日は、ちゃんと保定し、術中に子牛が動けないようにしたので、いずれもきれいに仕上がった。
 手術をしている間、あかねがとても心配そうに、オス子牛たちをなめていた。
 孤児だったあかねは、俺がストマックチューブでミルクを飲ませて育てた。手間をかけた子牛は、人懐っこく扱いやすい。