不安な水道

 次期農業用猫のソラとウミは、皿からミルクを飲めるようになった。ためしに離乳食を与えたら、ちゃんと食べた。いっぱい食べて、良い戦士になって欲しいのだが、ソラはちょっと下痢気味・・・。二人とも、トイレが大好きで、誰に教わるでもなく、砂を掘って用を足している。困るのは、排便後、トイレの中で寝ることだ。
また、揚水ポンプで苦労している。勝手に電源が落ちてしまうのだ。
 昨日と一昨日は、比較的調子がよく、二回スイッチを入れただけで、半分以上の水を上げることができた。だが、今日はポンプ小屋との間を6往復したが、水はほとんど上がらなかった。
 中間ポンプのスイッチが途中で切れる場合、井戸側のポンプのスイッチを入れるかどうか、とても悩む。井戸から水をくみ上げても、中間ポンプが作動しなければ、中間タンクがいっぱいになり、あふれた水は林道をとおって集落のほうまで流れてくる。それほど水量がない井戸水を、大量に垂れ流してしまうのだ。水が流れているのを見つけた人は、もったいないことをするなと、お叱りの電話をされる場合もある。
 中間タンクに水がある場合、井戸側のポンプを作動させないでも、一時間くらいはタンクの水をくみ上げるので、ポンプは空回りしない。だが、タイマーは二時間なので、もしもスイッチが途中で切れなかった場合、一時間もポンプを空転させてしまい、最悪の場合60万円もするポンプを焼きつかせてしまう。
 ポンプの不調の原因は、それをコントロールする基盤が老朽化して、腐食しているためらしい。さらに、井戸の渇水時にポンプを作動させた場合、ポンプがエアを噛んで水を揚げなくなり、中間ポンプも空回りして壊れる。
 基盤を交換し、信号線を整備して安全装置と自動運転に切り替えると、空転によるポンプの破損もなく、大切な水を垂れ流すこともない。早く切り替えたほうが、出費は減らせると思うのだが・・・。今日は、とうとうスイッチが入らなくなって、配線を切り替えてもらった。
 硫黄島の牧場にとって、このポンプは生命線である。綱渡りのような現在の状況では、安心して牛飼いをできない。