早朝の出産

 駆けつけ通報メールが来るまでは、眠っていていいんだ。ただ、何となく落ち着かなくて、寝るのが遅かった。
 メールは、4時半にきた。オジサンにはつらい時間だ。SOSメールではないので、無事に出産することを確認すれば良い。意を決して出かけた。助産するまでもなく、スルリと生まれた。カラスがすごいので、子牛が立ち上がって、母乳を吸うまで見守った。
 子牛は雌で、名前は『てるみ』だそうだ。理由は・・・聞いていない。

 次のお産予定の白5かねふくと黄12ももしげを、大浦から連れ帰った。ももしげは引っ張ると素直に動くのだが、かねふくは引っ張るのも大変だった。トレーラーに乗せて運び、枠場に入れて、体温計を挿入した。

 従業員さんは、授業参観で午後はお休みだった。牧場への水上げの不安を抱えつつ、種付けや餌やり等をこなした。一通り仕事を終えた後、まだ明るかったので、削蹄を二頭だけやった。一人で引っ張ると、力比べになって大変である。出来るだけ、後ろから追う形にしようとするのだが、なかなか逃げてもくれない。
 それでも、だましだまし枠場に入れ、削蹄をすることができた。