ラップの補修

 めったにテレビを観ないと言ったが、たまには観たいテレビもある。ところが、スイッチが壊れていて、数秒おきに電源が切れたり入ったり・・・。ストーリーがつかめない。
 そういえば、アルバイトのお姉さんは、昨日鹿児島に出かける前に、
「あれ?なおこは、男の子だよ!」
と言って、おれを驚かせてくれた(^_^;) 出産直後の気のたった母牛の隙をついて、一応雌雄判定はしているのだが、一瞬しか見ないから見間違えたのか?哺乳ロボット小屋に、走って確認に行った。大丈夫、雌だった。
 哺乳ロボットのプログラムを変更し、全体的にミルクの量を減らした。子牛たちの、えさの食い込み量が、思うように伸びないからだ。
 北海道で人口哺乳していたころは、2か月で離乳するときは、3kg位食べていた。ところが今は、3か月で離乳するときでさえ、それほど食べているように思えない。一頭一頭世話をして、食いやすい飼槽、フードボトルなど、いろいろ手を尽くして胃袋作りに励んでいた北海道時代とは違うのかな?今は、カラスが多すぎて、えさは限られた時間しか置くことができない。10頭以上が一斉に食べるから、個別管理できないからかな?
 ちょっと工夫してみる必要がありそうだ。

 放牧地の中心に、滑走路がある。普段はほとんど使われることは無いのだが、今日はヘリコプターの発着訓練をやっていた。牛も馬も緊張気味である。

 俺は、やらなければならないことから目をそむけ、逃げに入ることもよくある。
 部屋の掃除とか、経理の仕事とか・・・。
 先日、ロールしてラップしたイタリアンライグラスは、カラスに穴をあけられ、気密性が破られたせいで、放置すればカビて大きなゴミになるところだ。急いで何とかしなければならない。
 仕方ないので、対策に行った。まずは、穴をふさがなければならない。穴は、すべてのラップに多数開けられ、すべての穴をテープで補修することは困難だった。ラッピングマシンを持ち出し、ラップし直した。何とも無駄な仕事だ。何個かラップしたところで、フィルムがなくなってしまった。放置すると、また穴をあけられるので、倉庫に運ぶことにした。半分くらい運び込み、新たにラップできなかったものは、補修テープで穴をふさいだ。
 
 実は、昨夜真夜中に、たけひめの体温が下がったという、段取りメールが届いていた。これが届いたら、20〜28時間程度で出産する。たぶん、今夜遅くに出産するということであった。昼間に産んでほしいと思っていたが、帰るまでには生まなかった。
 風呂に入って、髪を拭いていたら、破水したというメールが入った。急いで髪を乾かし、牛舎に駆け付けた。安産で、子牛はすでに生まれていた。ところが、母牛が子牛を真面目に舐めない。脱脂大豆カスを、子牛の体にふりかけ、なめさせた。なめている間に、母性本能が目覚めてくるのだ。