花見に参加した

 早朝から目覚め、川上健一の『雨鱒の川』を読んだ。 
 雨鱒は、降海型のイワナで、瀬棚には沢山いた。俺の避暑地では、8畳くらいの滝壺に、40〜60cmの雨鱒が、30〜40匹群れて泳いでいた。難所で、たぶんこれ以上上るのは困難かと思われた。
 日本広しといえど、水深3mもある滝壺に潜り、雨鱒を手づかみしたことのある人間は、何人もいないと思う。俺は、その雨鱒に1〜2匹混ざっていた桜鱒を、手づかみで捕獲していたのだが・・・。(自慢)
 本の中で、雨鱒に出会った少年の驚きや、何度も見かけるうちに親しみ、友情を感じる気持ちは、よく理解できた。

 花見に誘われていた。
 集まった人々は、多種多様だ。太極拳トライアスロンをやる警察官とか、奄美で居酒屋をしていた人とか、新婚で島に移住する熟年カップルとか、中三の少女とか・・・。各自、自分の飲み物とつまみ(弁当)を用意し、指定された公園に集まってきた。初対面の俺を、みんな暖かく迎えてくれた。
 人と花見をしたのは、何年ぶりだろう?

 一年前の今日、瀬棚の牧場を出発している。自分が納得できる飼い方に変えるのに、1年もかかってしまった。結果が出るのはもうしばらくかかる。それまでは、我慢だ。