人力マニアスプレッダー

 いつもより早く出勤した。まだ薄暗い牛舎の子牛たちは、ちょっと眠そうだった。
 ここ数日、カラスの活動が活発化しており、ちょっと目を離すと、我が物顔で牛舎を飛び回り、牛やローズの背中を突く。どうせ当たりはしないのだが、パチンコで小石を飛ばそうとすると、その動作を見ただけで一斉にいなくなる。

 研修生を受け入れる事になっていたので、港に向かえに行った。やって来たのは、研修生と言うより、研修生を派遣する側の人だった。
 全然片付けていない部屋に案内し、そのまま牧場に直行!現在取り組んでいたり、これからやろうとしている課題について、一通り説明した。
 青草をカゴに詰めて運んでもらったり、切り草を作ってもらったり、仕事は沢山あるんだ。

 仕事の流れを説明したあと、俺は堆肥撒きに行った。本日二杯目を散布しようとしたら、全然堆肥が出て行かない。チェーンが切れた_| ̄|○  
 人生色んなことがあるから、こんなことで挫けていては、生きていけないのだ。牛舎作業中の二人を荷台に乗せ、人力スプレッダーになってもらった。運転手は俺だ。でも、大変そうだったので、交代して俺が荷台の乗った。思った通り、かなりの重労働だった。
 堆肥を下ろし終えてみたら、錆びて薄片のようになっていたチェーンベルトは、ずたずたに切れていた。全部取り替えないと、使い物にならないぞ!