堆肥撒き

 今日は、どうしてもやりたいことがあった。
 朝牛舎の作業を終え、倉庫のマニアスプレッダーを引っ張り出した。出してみて、想像以上にサビが酷く、ショックを受ける。堆肥を送り出すチェーンベルトのコマが、錆びて薄くなっていた。ちょっと力がかかったりショックを与えると、簡単に切れそうだった。
 グリスガンで、回転部をグリスアップした。ボロボロのチェーンには、グリスとオイルを塗りつける。チェーンベルトのコマには、一つ一つ丁寧にオイルを注し、錆びた部分にはオイルを塗った。
 空回しすると、沢山の錆びた鉄が落ちた。ほとんど、寿命が尽きているが、そっと使えばもうしばらく使えるかも知れない。多分、この機械は年に一度しか使わない。でも、大規模経営をする以上、無くてはならない機械で、新品で買うと百万円以上する。
 ボブキャットを使い、堆肥をふわっと積み込んだ。水分が少ない堆肥なので、体積の割りに軽い。硫黄島は暖かいので、堆肥の熟成も早いのだ。
 散布するときも、エンジンの回転を抑えて、PTOをそっとつなぎ、機械を動かした。すると、堆肥は一応バラバラと散布されはじめた。ときどき大きな固まりがあるが、古いタイプの機械だから、仕方ない。乾燥しているので、粉末が風で俺を追い越していく。こうやって、俺の体が堆肥臭くなるのだ。
 八台分散布した。ウナギの寝床のような細長い堆肥舎の、1/3くらいかな?