哺乳プログラム変更

 牛温恵の設定がちゃんと出来ているのか、会社に聞いてみた。すると、温度データは届いているが、俺の携帯メールアドが、送ったつもりなのに登録されておらず、予告や警報メールが届かない状態だった。設定し直す。
 温度データを見たら、牛がエサを食べている時間が、温度上昇となって現れていた。出産当日には、体温が変化するそうだが、これならよく判りそうだ。
 牛温恵の為に、母牛管理台帳を入力しなければならない。ついでなので、ノートに記した記録を調べ、繁殖障害の牛をピックアップして、ビタミンを与えたりテールペイントを塗ったりした。
 昨日運べなかった分、今日は青草をたっぷり運んでやった。小屋下放牧地は、それでも足りていないようなので、ロールも1つ置いてやった。
 哺乳ロボットのプログラムを変更し、離乳を早めた。プログラム変更により、直ちに3頭は離乳されてしまった。明日には、さらに4頭が離乳されることになる。これまで餌を食い込ませるプログラムでやって来たので、離乳と同時に、餌の摂取量が一気に増えた。

 来月出荷の子牛あたりから、放牧地で生まれて離乳まで置いていた子牛たちを、牛舎で産ませて小屋下放牧地に放し、小屋の餌を盗み食いして育った子牛たちになってくる。希望的観測なのか、出荷時の子牛が大きくなった気がする。気のせいでは無ければ良いのだが・・・。人工哺乳の子牛が出てくるようになれば、安心して出荷できると信じている。
 俺が人工哺乳にこだわるのは、子牛の成長だけでは無い。
 繁殖農家は、母牛に子供を産ませてナンボである。繁殖成績が上がらないと、儲けは無い。瀬棚時代の繁殖成績を期待するのは無理にしても、超早期母子分離をすることで、年一産以上を目指そう!そうすれば、子牛が飲むミルク代なんて安いモンだと思う。

 代用乳の入手状況について、牛の師匠に尋ねてみた。
 北海道でも、困難な状況になりそうらしい。それでも、俺が使っているミルダッシュは、いくらか入るらしい。
 師匠の所では、現在30頭の子牛に人工哺乳しているそうだ。師匠の所の哺乳ロボットは、俺の物より高級で、見た目からしてふっくらとしていて美しい上に、子牛を管理する能力も高いそうだ。俺には、入手困難かも?