羽根を伸ばしたゴロウ

 船が出るのは明日なので、今日は帰れない。いろいろ聞かないと判らないことがあったので、朝から時間を取っていただき、ご教授願った。
 退席後、役場で書類を出して貰ったり、社会保険事務所や税理士さんのところに行ったり・・・。いろいろ話を聞いても、実際にやってみないと、不安は払拭されないのだ。
 カメラの修理屋さんに行った。依頼してあった修理は、二台とも完了していた。今の時代、修理するより買った方が安いのだが、貧乏症だから・・・。
 
 愛犬のゴロウは、ラブラドールの血が半分入った雑種だ。
 元々は人懐っこい犬だったが、番犬にするために、知らない人が来たら、吠えるように躾けた。島に来て、番犬として吠える必要が無くなったからと言って、今更吠えるなと言うのは、ちょっと酷である。
 名犬の誉れ高い(?)彼は、俺の前では良いところを見せようと、いつも気を張り詰めている。その反動は、俺が留守をしたときに出る。歯止めが効かないのだ。もちろん、人を噛んだりは決してしないのだが、普段は絶対にしない悪さ・・・子牛のエサ箱に入って、盗み食いをする・・・死んでしまった牛の墓を掘り起こす・・・にわかには信じがたいのだが・・・