出荷前日

 出荷前日は、ただでさえ仕事が多くて、忙しい。獣医さんが、予防接種と妊娠鑑定に来る日も、いつも忙しい。今日は、その二つが同時にあり、さらにホイルローダーの引き渡し手続きも加わり、てんこ盛り盛りだくさん、消化不良の日となった。
 忙しいなら、妊娠鑑定など省けばいいのだが、俺もようやく頭数に慣れてきて、高齢で繁殖障害の牛が見えてきたので、更新する必要を感じていた。ということで、7頭の牛をピックアップしたのだが、一頭は耳票が外れており、今回の競りには間に合わなかった。残り6頭について、明らかに妊娠していないと判定してもらう必要があった。肥育に回す牛が妊娠していた場合、罰金20万円ほどとられる恐れがあるのだ。
 まず、4月出荷子牛の予防接種をした。
 次に、近所の牛の除角を手伝いに行った。ワイヤーソーに比べ、切り口がきれいで、体力がいらない。予定は二頭だったが、一頭は逃げてしまい、全然捕まらなかった。
 引き続き、妊娠鑑定に行った。
 廃用として出荷する予定だった黄色24が、実は妊娠していた。愛着を持っていたので、ちょっとうれしかった。
 同じく黄色100番が妊娠していなかった。この牛は、なかなかスタンチョンに入らず、ほかの牛をいじめて困っていたので、うれしかった。
 終わったのは6時半だった。脇で、赤17番が、モトツボに乗られ、発情していた。とてもいい発情で、出荷当日の明日は種付けできないので、それから種付けしようと準備を始めたら、実は産後20日程度しか経っていなかった。今回は見送り・・・。