帰島

 いつものように、ミスタードーナツを大量に買い込み、港に行った。
 硫黄島までのハイラックスサーフの運賃は、22,400円だった。もうちょっと安ければ、島から車を持って遊びに行こうと思うのだけど・・・。
 鹿児島発のフェリーみしまは、何時も暖房が効いていない。暖房が効きすぎると、酔う人がいるからだ、という意見もあるが、黒島から引き返す船は、暖房が効きすぎている。たぶん、鹿児島に停泊中は、エンジンを切って暖房も落としているけど、黒島ではエンジンかけっぱなしだからではないかな?以前、硫黄島港で停泊していたみしまは、夜もエンジンがかけっぱなしだった。
 寒い二等船室で、かけ毛布一枚で寝るのは、けっこう寒い。俺は、キャンプ用のセミエアマットを持ち込んだ。雪山や北極圏など、かなりの辺境をキャンプしながら旅した俺なんだが、工夫することで快適を手に入れられるなら、その努力は惜しまないのだ。
 ハイラックスサーフは、とても高そうに見えるが、年式が古いので意外に安い。『いくらしたの?』と聞かれ、片手を開いて見せたら『500万円かい?』そんな馬鹿な( ̄〜 ̄;)
 家に帰ったら、玄関にチョコレートが置いてあった。いったい誰が置いたのだろうか?バレンタインには、まだ日があるし(^_^;)
 犬達を連れて、急いで牧場に上がった。
 足の傷が治ってきた黄色の29番を、小屋下放牧地に出した。まだ、ちょっと痛そうだが、ここならエサ箱に乾し雑草をもらえるから、大丈夫かなと思って・・・。
 制限哺乳中のはるかを、モトツボクミコと同室にした。はるゆきと『春幸太郎』親子を、超早期母子分離した。はぎひらふくの子『牛若丸』の部屋に、春幸太郎を入れた。身体は牛若丸の方が大きいが、生まれたてなので動きがぎこちない。スッキリハンサムな牛若丸に対し、春幸太郎は表情豊かな顔をしている。
 白の21番が、灯台下から脱走してきて発情していたので、種付けをして元に戻した。
 はぎひらふくを埋葬したいが、島に来ていたユンボは、工事が終わったので帰ってしまったらしい。何時間かかるか解らないが、手で掘るしかないな。