哺乳ロボット起動!

 今日は、哺乳ロボット起動のために、全力を尽くした。
 機械屋さんが島に居る時間は限られているので、俺に出来ることは出来るだけ終えておかなければならない。電柱のブレーカーを落とし、引っ張ってあった200Vの電線を、繋いでいった。ロボットの部屋に、100Vのコンセントを取り付けた。水道配管路の準備も進める。床を綺麗にして、塩素で消毒し消石灰も散布した。

 船が入港し、機械屋さんが降りてきたらすぐに拉致して、牧場へ・・・。ロボットのセッティングをしてもらっている間に、200Vブレーカーを部屋に取り付けた。水道の配管を進め、断水に備えた80リットルタンクに、ボールタップ(水位が下がると水を入れる装置)を取り付け、それを屋根裏の柱にしばり付けた。
 水も電気も通じ、ロボットのセッティングを待つばかりだ。チビ子牛達を、哺乳瓶を使ってロボット小屋に誘い込む。こういう誘いに素直に乗る子牛は、総じて飼いやすい。おりおんは、暗くなった牧場内を走り回り、ミルクの誘いには全く応じなかった。ロープで捕まえた。
 子牛には、タグつきの首輪をかけ、その番号を登録する。子牛がミルクを飲む枠に入ると、センサーがタグを読み取り、瞬時に適正な量のミルクを溶かし、授乳する。
 初めての子牛には、飲み方を教えてやらなければならない。哺乳瓶や指を吸わせて腰を誘導し、枠場の乳首に吸い付かせる。待っている子牛は、腹をすかせて俺の周りで半狂乱だ。吸わせているうちに、指が口の奥まで吸われ、奥歯でしっかり噛まれてしまった。てこずった子牛も居たが、11頭全員吸わせることが出来た。