怪我

 牧場に向かう途中、タンクの残量を示すインジケーターは、空っぽを差していた。蛇口を捻ったら、シュ〜〜〜ッと、空気の音がしただけだった。朝晩、ミルク24リットルを作るので、水が出ないと困る。
 ポンプにエアがが入ったから、エア抜きをして水揚げをしたはずでは・・・?急いでポンプ小屋に向かったら、畜産会長さんに会ったので、その旨を話す。昨夜は、エア抜き後、中継タンクまで水がどんどん上がり、中継ポンプを作動させたら、圧力が上がったから、当然水が上がったと思ったらしい。再び、専門家に見てもらうことになった。
 俺は、ポリタンク2個分、水を持ち帰り、ミルクや人工授精の準備とした。しかし、水問題は長引くなぁ。
 
 白の21番と赤の19番、モトツボクミコが発情していた。クミコ以外は、出産後1ヶ月も経っていないので、今回はパスだ。
 地面に血が落ちていた。
 怪我をした牛を捜したら、黄色の29番だった。右後ろ足の蹄上を、5cmほど肉がえぐれ、血が血管からぴゅーぴゅー出ていた。
 急いで枠場に繋ぎ、傷口を流水で念入りに洗った。手ぬぐいを使ってしばり、圧迫止血とした。静脈注射をしようとするのだが、そういうときに限って鼻輪が壊れるんだ。せっかく刺した針が抜け、液が静脈からこぼれるではないか!
 今日も、雑草をロールした。8ロールできた。