ユンボ

 武蔵と小次郎の双子は、生後二週間だけど、良くエサを食べるようになってきた。願わくば、何時でもエサを置いてやりたいのだが、俺が居なくなると、間髪を入れずにカラスがやってきて食べてしまう。どなたか、ヒトデを下さい!!沢山欲しいです。
 現在、三頭の制限哺乳をしているが、扉の取り回しを工夫して、ちょっと楽に親子を分離できるようになった。あと一週間で一月競りのために鹿児島に行くので、少しでも作業を楽にしておかなければならない。
  ナカボクの亡骸を、埋葬しなければならない。
 日本では、死亡した牛すべてを、BSE検査することになっているが、離島では輸送が大変なので埋設することになっているのだ。この島では、人も牛も、死んだら土葬だ。
 体重400kgの牛を埋める穴は、相当深く掘らないと、臭いまで上がってきそうだ。俺は身体が弱いので、手で掘っていたら、他の牛舎作業が出来なくなってしまうだろう。機械で出来る作業は、機械でやるのが好きだ。ユンボを捜した。
 幸い、光ケーブルを引いている業者が、鹿児島に持ち帰ろうとして、船に乗りきれなかったユンボが、ダンプの上に積んであった。借りても良いか聞いてもらい、ありがたく借りることが出来た、
 でも、ラダーが無いんだ。牧場にあったラダーは、サビだらけで脆くなっていた。折れても大丈夫な態勢を取りつつ降りたら、やっぱり折れた。
 久しぶりのユンボ作業だ。俺の持っていた日立のユンボとレバー操作が違うメーカーで、やりにくかった。それでも、あっという間に深い穴が掘れ、無事に埋葬完了。
 借りたユンボを洗車して、ラダー無しでどうやって荷台に乗せるか?でも、自らの進む道を、自ら作りだして前に進めるユンボは、意外に器用なのだ。でも、せっかく洗車したのに泥だらけになった。もう一度洗車。