妊娠鑑定 鼻紋取り


 牛舎に行くと、子牛が一頭産まれていた。競りに行く前に、牛舎に入れておいたうちの一頭だ。
 その隣部屋のスズコを見たら、不自然な格好で寝ている。急いで部屋に入ると、既に前足が出ている。掴んでみたらとても細い。『雌だ。』と思いつつ引っ張るが、ビクともしない。産科チェーンを捜したが、見あたらないので、仕方なく、渾身の力を入れて引っ張った。息むのに合わせて、子牛は徐々に出始めた。思ったよりでかい。やっと引っ張り出したのは、雄にしては管が細すぎる雄子牛だった。勝忠平←北国7の8←安福165の9という血統は、雌の方が高いかな?モトツボから採卵した受精卵を、スズコに移植して産ませたのだ。だから、名前は『元十郎』。管は細い方が、肉質が良い傾向だ。きっとこの子も、好成績を残す牛になるだろう。
 スズコは、雪の降る日に捨て子をした事のある牛なのだが、今回はちゃんと舐めている。でもすぐに飽きるので、エサの粉を子牛の体にかけてやる。子牛の体を舐めているうちに、母性本能が目覚めていくのだ。

 朝から、青の21番の妊娠鑑定をお願いしていた。これまで10回も種付けをして着かなかった牛なのだが、最後の種付け後、発情らしい行動を見せていない。
 ロープで捕まえ、枠場に入れる。判定の結果は、マイナス!両耳耳票が無くなっているので、新しい耳票が届き次第、成牛市に出すことになった。
 母牛の鼻紋も取ることになった。黒島崎のスタンチョンに入った牛を、一頭一頭鼻を拭き、インクを付けて、鼻の紋を取った。素直に取らせる牛もいれば、頭を振ったり、鼻のインクを舐める牛もいた。

 雨に当てっぱなしのなつ乾草に、テッターをかけようと思った。大きなテッターレーキを動かすには、ファーガソン4255でなければならない。機械小屋に行ってみたら、またパンクしていた。
 タイヤレバーを捜すが、先日どこかに仕舞ったのだが、どこだか忘れていた(T_T)/~~~  コンプレッサーも、スイッチが入らなくなっているし、なぜか軽トラもパンクしていた。
 いろいろ重なると、気持がめげるものだが、一つ一つゆっくり解決し、とりあえずテッターをかけることができた。