削蹄

　俺の中では、子牛の出荷は１０月１日であった。たった二日早まっただけなのだが、期限までに何かをしなければならないってヤツが苦手な俺には、大きな二日だ。
　子牛の出荷準備を急がなければならない。人を頼んで、子牛の削蹄と鼻輪着けを、一気に六頭やってしまうことにした。
　でも、まずは明日の運動会に備えて、緑門作りの手伝いだ。島中の動ける人が集まったので、基本的には暇だった。俺にやれる仕事を探したが・・・。

　今日の子牛たちは、あまり蹄は伸びていなかった。今日の削蹄鎌は、前回使ったものより切れなくて、力を入れすぎ深爪してしまった。買ってきた鼻輪を留める紐は、堅くて結び目が解けやすかった。失敗。
　
　一日置いたメジナの刺身は、歯ごたえと旨味のバランスが取れて、美味しかった。