十五夜の綱引き

 おゆきが、雄の子牛を生んだ。名前は・・・ユキって結構いるんだよな。先日産まれた子牛も『雪福太郎』だし・・・。御雪太郎か?御幸太郎かぁ?
 子牛の多頭飼いでは、相性がとても重要だ。今回の組替えで、苛められてエサ場に行けない子牛が生じた。今日のところは、俺が目の前にいて守ってやりながら食べさせたが、このまま順調にいく場合もあるし、やっぱり苛められることもある。エサを食べられない子牛は、新たに組替えするか・・・?連動スタンチョンを使い、仔牛を慣れさせれば、こういった心配はなくなる。牛がもうちょっと高く売れたら、検討してみよう!
 哺乳ロボットを稼働させるために、準備を始めた。
 200Vの電源は、途中まで来ている。たぶんどこかにあるブレーカーを落として、リングスリーブ等を使って接続すれば良い。小屋に、瞬間湯沸かし器も欲しいので、100Vの電気も引きたい。今はバケツで運んでいるが、水飲み場に蛇口かウォーターカップが欲しいので、配管にチーズ(T字)が必要だ。
 部品を捜して、現場にそろえた。チーズが無い。途中に止水栓を儲けない場合、着工したら完成するまで水を使えない。だから、計画がしっかりまとまるまでは、着工できない。電気配線用のリングスリーブも見あたらない。注文するか?

 十五夜の夜は、綱引きと相場が決まっているのだ。
 何も知らないけど、とりあえず飯を食べて、現場に行ってみた。いろんな人が集まっていた。組み分けは、家のある場所で決まるらしい。硫黄鉱山があった頃、島の人対鉱山の人という綱引きだったそうだ。どちらも負けたくなくて、コッソリ松の木に綱を縛って、どっちが引いても勝負がつかなかったりしたとか・・・。
 綱引きなら、俺は毎日のようにしているぞ!
 と言うことで、3戦して2勝だった。