組替え

 さて、一週間牧場を開けた事による歪みを、一刻も早く修正しなければならない。
 とりあえず、大牛舎の床が汚かったので、ボブキャットで糞出しだ。下痢をしている子牛が居ると、部屋の汚れ方が酷い。船がなかったから薬が手に入らなかったのだが、昨日の船でダイメトン酸が来たから、たぶん改善されると思う。剥いだ後は、干し粉砕雑草を敷いた。もちっと増産しないと、冬に使える敷き料が足りなくなる。切り返しが出来る堆肥舎があれば、完熟堆肥を作って、敷き料として使うことも出来るのだが・・・。
 先日見学に行ったキツネが丘牧場では、おがくずを敷き料として使っていた。そして、天井から200Vの大型送風機で風を送り、床を乾かしていた。牛舎の脇には、中国製の壊れた大型扇風機が、沢山捨ててあった。
 風を送って床を乾かす事は、俺が島に来てすぐにやろうとしたことだ。北海道では、ダクト換気で床に風を送り、アンモニアの停滞と床の乾草を促し、それ以前に流行っていた肺炎を激減させた。こちらでは、肺炎が蔓延するのか知らないが、乾いた床は牛に快適な生活を保証する。牛は、寝ている間に食べ物を消化するので、快適な睡眠は良い牛を作るのだ。
 床が綺麗になったところで、子牛の引っ越しをした。
 10月出荷予定牛を、メジャーを使って測定し、出荷するかどうか再考した。
 全体に、月齢の割りに小さい。俺が来たときにコジケていた3頭は、かなり大きくなったとはいえ、あと一ヶ月出荷を伸ばしても、月齢の問題もあり値は上がらないだろう。一ヶ月出荷を伸ばして、値が伸びる可能性がある牛は、出荷を延期することにした。
 そして、連動スタンチョンが無いことで、食べるのが遅かったり弱い子牛は、食い負けしている。その害を少しでも減らすために、一部屋3頭に減らした。
 牛飼いだって、たまには頭を使わないとダメなのだ。

 今日は、魚を食べたかったのだが、俺のポイントは温泉の濁り水で行けなかった。忙しかったし・・・。代わりに、漁師さんからムロアジを頂いた。小さいけど、さばきやすく美味しい魚だ。タタキにした。