今日は、仕事を助っ人に任せて、俺はお盆行事の準備だ。ゴロウとカイトを牧場に連れて行き、青竹の刈り取り現場に向かった。作業内容を理解していない俺は、イマイチ役に立たず面目無い。
 青竹を持って、海岸に移動。ここで、一ヶ月前に刈って乾かしてあった竹を束ねて、大きな柱を立てるのだ。年配の人が指導者になって、竹の束を竹の紐で束ねていく。若者は、指示されたとおりに、竹を運んだ。
 竹柱は予想以上に大きく、立てるのは大変だった。大小二本立てたが、夜にはこれに火をつけ、その火は屋久島からも見えるそうだ。
 柱が立ったので、家に両親が健在の者(おやもろこ)はお盆でも精進を免除されていて、釣りや突きン棒漁に出かけるのだ。
 今日は南風が強く、港沖は荒れていた。漁師さんは止めるように言ったが、俺は自分の泳力を知っているので、大丈夫だからと言って昨日のポイントに行った。今日は一段と透明な潮が入っており、港の底までくっきりと見えた。カンパチが来てくれることを期待して、銛は3.5mのままだ。
 今日は、島でも人気のクロダイ(実はメジナのこと)を積極的に狙った。テトラポットの隙間は大きいので、射程の長い銛を使って、外から突いた。テトラポットの陰に体を隠しながら、数m潜った位置で突くと、警戒心が薄れ射程内でしばらくうろついてくれた。

 40cmオーバーのメジナなら、一匹突けば俺が食べる分として十分すぎる。俺は、美味しい魚をすぐに食べる分だけしか取らないのを、誇りにしてきた。取りすぎて人に配ったり、冷凍なんかしない。
 でも今日は、沢山の人が食べる分を捕らなければならない(と思っていた)。カスミアジやギンガメアジを含めて、9匹捕獲した。突いた魚は、すぐにえらを取って血抜きをし、とどめを刺した。10kg以上のの重さになった獲物はは、重くて泳ぎの邪魔をした。
 赤い温泉の中を抜けて、浮き桟橋に登ろうとしたが、魚が重くて上がるのが大変だった。
 すぐにはらわたを出して、漁協の冷蔵庫に入れてもらった。

 シャワーを浴びて、一旦仕事に帰る。ユニックで、港に置きっぱなしの肥料110袋をを取りに行った。110袋???ナンデ、フレコンバッグ(500kg袋)ではない??ッとぼやきたくなった。
 瀬棚組のカズエ(第一花国)が、牝子牛を出産した。名前は『アリス』(北平安)。

 4時になったら、マイ包丁を持って、魚を捌きに行った。そこで、参加人数が意外に少ないと聞いて、ガッカリした。魚が無駄になる。
 とりあえず仕事!メジナギンガメアジを捌いて、刺身にした。他の人が取ってきたスズキの一部を洗いに、残りは刺身にした。
 余った魚は、ご近所にもらってた抱いた。メジナの方が、ギンガメアジやカスミアジより人気があった。
 『おやもろこ』の人は、20名程度だった。盆踊りに参加した人全員が来ると思って、はりきって捕りすぎた。乱獲は、継続的な漁を出来なくするので、自分の首を絞めることになるのだ。反省。
 メジナやスズキの刺身は、新しすぎた。みんな、普通に美味しいと言って食べてたが・・・。ギンガメアジの刺身は、人気があった。これは、昨日突いた魚なので、熟成が進んでいたのだ。

 おやもろこにより、竹柱にたいまつを投げて火をつける行事なのだが、やっとてっぺんに乗せることが出来たたいまつなのに、竹が湿っていたのか、火がつかなかったのは残念だ。
 その後、3日間練習した盆踊りを披露して、今夜の行事は終わったのだ。