スーパーてるてる坊主

yonemiki2010-07-27

 起き抜けにパソコンを起動し、天気予報をチェックしたら、昼前から雨が降ると言っている。せっかく良い乾草が出来そうだったのに、雨が降ったら台無しだ。
 これまで使って、もっとも実績のあるてるてる坊主に手を合わせる。
「今日一日、雨を降らさないでください!」

 牛舎作業をガンに頼み、俺はレーキをかけに行った。牧草の列をある程度作ったところで、ロールをしようと思って、フォードのエンジンを始動!・・・昨日から充電していたつもりだったが、切り草小屋の電源そのものが落ちている。
 完全に放電したバッテリーだと、俺のブースターケーブルで繋いでも、パワーを吸われてエンジンはかからない。
「・・・」
 もう一台のフォード用に買っておいたバッテリーと交換し、上がったバッテリーは、事務所の電源で充電を開始した。

 ロール開始。雨が降る前に、少しでも巻いてしまいたい。
「乾している最中に雨に降られるとダメージが大きいが、ロールにしてしまえば、少々の雨に当てても大丈夫。」
北海道での常識だが、こちらでは反対のことを言われて、戸惑っている。牧草の種類や気候がまるで違うので、そういうこともあるかも知れない。だが、ここはとりあえず、雨が降る前に出来るだけ丸めてしまおうという作戦だ。
 屋久島は分厚い雲で覆われていた。そこから別れた雲が、次々とこちらにやってくる。だが、すべて硫黄岳の方にずれていき、採草地上空はいつも明るかった。さすが、俺がもっとも信頼するスーパーてるてる坊主だ。
 途中、ファーガソン4255がパンクして、テッターレーキをクボタM8030に付けかえるハプニングがあったが、昼飯抜きで全部にレーキをかけ、夕方までに全部巻くことが出来た。
 運搬も、湾採草地に置いてあったクボタM8030を持って帰るついでに、ロールも12個持ち帰った。ロールしながら、ガンが運転するユニックに、二回ほど灯台下採草地の牧草を積んだ。
 だが、ここの牧場はすべてがギリギリに作られているので、こういう経験の無いガンには、荷が重すぎたようだった。
 一旦作業を終了し、ガンに焼いておいてもらった黒毛和牛モモたたきを食いに帰った。
 晩飯後、俺は牧草が諦められずに、牧場に行った。ロールの上を一人でロールを転がすのは、かなりの力作業だ。でも、農業って今やらなければならないときは、やるしかないのだ。
 積み込みは、クボタのローダーで10分もかからずに積み終える。降ろすのは、俺一人の力で25分以上かかった。電気系統が死んでいるので、作業のたびにハイラックスのライトで照らした。
 雨が降り出す12時過ぎまでに、64個のロールを回収した。たぶん、まだ半分ほど残っているが、さっさと使ってしまうだろう。
 疲れた。