第3回寿司パーティー

yonemiki2010-06-20

 悪魔の誘惑って、こんな事だろうか?
 牧場の午前中は、朝飯前の朝牛舎で、牛達に配合飼料を与える。朝飯後、切り草等の牧草を与える。その後、糞出し、切り草作りなどの作業をする。その後、発情確認のために、放牧地を回る。
 作業中に、携帯電話が鳴る。
「仕事なんて、している場合ではないよぉ!今、港では凄く釣れているぅ。早く来なさぁい!」
 サワラが釣れたらしい。貧乏学生時代、線路脇の薄暗い食堂で出しているサワラのバター焼き定食は、憧れのメニューだった。激しく心を揺さぶられたが、予定通り7部屋の敷きワラを全部交換し、雑草ロールを運んで敷いてやった。

 働かざる者、遊ぶべからず!なのだ。
 発情観察まで終わらせたら、時刻はいつもの12時になっていた。一応行ってみたら、風で吹き飛ばされそうだった。

 第3回寿司パーティーを開催した。今回のエントリーは10名。寿司ネタは、ロウニンアジだ。人数が多いので、ネタ不足に対処するように要請してあった。
 夜牛舎を急いで終わらせ、米4合と包丁まな板寿司桶、そしてロウニンアジを持って、出かけた。俺は魚を捌く事に専念し、他の人はそれ以外の寿司ネタや味噌汁などを作った。背骨に着いた身をそぎ落とし、ナメロウ風に仕立ててくれた。
 握りも、みんなでやった。箸でつまんで崩れず、口の中でホロリと崩れるような握りにするために、力を加える時間を短くするように指示。くれぐれも、握りしめないように!と言うと、みんなそれなりに出来ていて、センスがよい。
 ロウニンアジが無くなってからは、ナメロウ、ツナマヨ、卵焼き、キュウリ、梅などを具に、手巻きになった。俺は、形の悪い手巻きになった物は、証拠隠滅しておいた。
 ロウニンアジは、まだ身がプリプリで、明日まで置いた方が、もっと旨味が出て寿司には良かったかもしれない。この島では、ロウニンアジの人気は高くないのだが、凄く美味しい魚だと思った。
 色々話を聞くこともできて、楽しい夜だった。