タスク帰る

 若者が来て、一番変わったところは、俺の家が綺麗に整理され、掃除機をかけられるようになったことかな?毎朝、掃除機に追われて逃げる、俺と犬達(^^ゞ
 散乱していた物がまとめられ、整理分類され、配置された。ついでに、食料も綺麗に無くなって、急遽調達したほどだ。

 仕事面でも、変化があった。今まで、構想ばかりが踊っていたことが、力強い助っ人のおかげで着手できた。
 子牛の部屋に吹き込む雨を防ぐため、防風ネットのカーテンを取り付けた。下に重りを着けなければならないので、まだ完成ではないが、一人ではなかなか出来なかっただろう。雨が降らない日は、邪魔にならないように、巻き上げられるようにした。
 天気予報では、南九州の波は3mを超えており、今日も欠航する可能性があったのだが、村営船みしまは、気合いで出航したようだった。タスクと二人、胸をなで下ろす。

 俺は、人前で牛に声をかけるのが気恥ずかしいのだが、若者は体育会系の乗りで、声を出していた。この声も、しばらくは聞くことができないだろう。
 昨日の子牛の名は、『たすとしこ』となった。
 日帰り航行のため、硫黄島の出航時刻がお昼になったタスクは、ルーティンワークの後、動物たちに別れの挨拶をしていた。
 彼らと一緒に蒔いた牧草の種は、一斉に芽を出していた。

 俺の牧場に来てくれる学生は、ハズレがない。何でなんだろうと考えたが、まず紹介するサマンサのフルターがかかっており、さらに、わざわざ牧場まで行こうと思う段階で、かなり絞り込まれる。結果として、『良い子だなぁ』と思う子しか、やって来ないのだろう。
 また来てくれると良いなぁ!