トシ帰る

 ローストチキンは、一羽で三度美味しいのだ。ローストチキンとして楽しんだ翌朝、鶏ガラを煮ておじやにする。このおじやが、ご馳走なのだ。
 人が食べた後の骨は、犬達が美味しく平らげる。これが、三度目の美味しいだ。
 鳥の骨は、鋭角に割れるから良くないと言われるが、加熱時間が長いからか?骨はかなり柔らかくなっていて、大丈夫そうだ。勿体ないし、犬達はとても楽しみにしている。
トシは、朝飯前に朝牛舎作業をし、牛や馬達に別れを言っていた。ポパイは、トシの体に頬を寄せ、親愛の情を表していた。わずかの間に、多くの牛達にも触れるようになっていた。頑張ったねぇ。
 港では、他にも見送られる人が居て、大勢の見送りの人も居た。
 肩を抱き合い、握手をして別れを言うと、『こういうのは、苦手なんです。』と言って照れていた。彼を見ていると、日本の若者にも、まだまだ期待が出来るなぁ、と思う。真面目で好青年だった。また来てね!
 飛行場脇の粉砕雑草に、テッターをかけた後、牛舎を開けるための作業をした。二組ずつ入れてあった二部屋の母牛を外に出し、子牛に耳票を着けてから、小屋下放牧地に移動させた。ちゃんと親と一緒に着いて行ったはずなのに、しばらくすると、元居た部屋に帰って寝ていた。明日は大雨だから、乳を吸うとき以外は、牛舎にいてくれた方が安心だが・・・。
 発情観察に行ったついでに、湾放牧地の牛を見に行ったら、また姿が見えなかった。

午後から、ポパイに乗った。ソックスのホルターが無くなったので、今回はポパイだけを連れ出した。置いて行かれたソックスは、驚いて鳴いたが、ポパイと離れることも慣れてもらわないと困る。一方のポパイも、ソックスの悲しそうな声を聞き、かなり後ろ髪を引かれていた。


 興奮しているときは、引き馬するより俺が乗った方が良い。今回も、最初は俺が乗馬して出発。灯台あたりでタスクを乗せたが、ソックスの声が聞こえると、ソワソワしていた。まぁ、いろいろなシチュエーションを経験させた方が良い。橋を渡る頃には、だいぶ落ち着いていた。今日は、恋人岬展望台の所まで行った。

 敷きワラにするため、飛行場脇の粉砕雑草を、ロールした。面積の割りに量が多く、15個の敷きわら用雑草ロールが出来た。明日は大雨なので、ユニックとトラクターで、ロールを回収しに行った。タスクがユニックを運転してくれたので、回収はあっという間に終わった。