牛靄に煙る牧場

 寝覚めの悪い朝だった。台所に行こうとして、その理由がわかった。
「・・・」
 その処理のため、朝の散歩を取り止め、朝食はバナナにしたほどであった。

 出産予定の牛が二頭牛舎に入れてあるが、一頭の乳房は全然張っておらず、本当に出産間近なのかと、疑ってしまう。妊娠してるんだよね?

 暑くなり、牛床から立ち上るガスと水蒸気が、白い靄として牛舎から流れ出す。牛靄とでも言うのだろうか?壁のない大きな牛舎だが、屋根が全体をすっぽり覆っているので、換気が十分では無いようだ。
 今日は、北側の柵に取り付けてあった板を、取り除く作業をした。冬囲いなのだと思うのだが、無いと風が入りやすそうだ。冬になったら、また取り付けられるように、倉庫にしまった。
 現在、100Vの扇風機が、床に向かって風邪を吹き付けている。吹き付ける前は、ドロドロになりそうな雰囲気だったのだが、現在は床が乾いてきた。扇風機両隣の子牛たちは、風の当たる範囲内に寝ている。床が乾き、ガスが飛ばされ、風が来て涼しいことは、子牛にとって気持ちが良いのだ。
 ただ、100Vには荷が重すぎるので、200Vの大型扇風機を3台取り付け、インバーターコントロールできるようにしようと計画中である。本当なら、しょっちゅう敷きワラ交換をすればいいのだが、この島にはそれだけの敷きワラがない。無いなら、ある物で快適な環境を作ってやるしかない。
 牛にとっていい環境を作ると、きっと俺に恩返しをしてくれると信じている(^^ゞ

 フォード6610は、バッテリー充電しても、全然症状が変わらない。
 先日フォード6600から外したバッテリーを充電し、6610に乗せてみた。すると、セルが回った。原因は、バッテリー不良だった。せっかく晴が続いているのだから、雑草を刈り取って、敷きワラを確保しよう(^O^)/

 仕事を終えて漁港に行ったら、漁師さんがサメのヒレを落としていた。深海性の美味しいサメで、ヒレにトゲがあるらしい。
 茹でフカにして食べると美味しい、って言われたのだが、ちょっと尻込み気味の男達に変わって、若い女性が呼び出された。レクチャーを受けたら、
「食べてみようかな?」
と言うことで、このポーズ!

 帰ろうと思ったら、シーカヤックが置いてあるのを発見!見回すと、一人の男性が・・・
 早速声をかける俺(^^ゞ 面白そうな人がいたら、とりあえず声をかけてみるのだ。案の定話が発展し、一緒に東温泉に行くことになった。海と星を見ながら、一日の疲れを癒すのだ。