いつものように、牧場に着いたら真っ先にお産待ちの牛の所に行く。ちょうど、一次破水をしたところだった。明るい時間のお産は、とても助かる。仕事をしながら、頑張るように声をかける。
 だが、一向に息む様子もなく、全然先に進まなかった。肥育用の枠場に繋ぎ、直腸検査をしてみたら、ちゃんと前足がそろっていて、頭がその上にあった。正常なお産だ。間もなく二時破水が起こったので、助産に入る。産科チェーンをかけて引っ張ると、普通サイズの雄が生まれた。親を解放してやり、子供を舐めさせる。
 母牛めぐむは、黄色の43番が着いてる平成12年生まれ。子牛の名は『恵太郎』(鉄兵)にした。
 しばらくは、芝生の上で世話をさせていたのだが、子牛が立ち上がって歩き始めたので、部屋に戻した。めぐむは、恵太郎が腹の下を探り始めると、乳首から母乳をポタポタ垂らして待っていた。だから、ほとんど迷うことなく乳首を捜すことが出来、あっという間に吸うのを止めた。乳量が豊富な証拠だ。良い母親だ。

 ローズは、堆肥舎が気に入っており、俺が作った柵の中にも出入りしている。堆肥を登って牛に挨拶しているが、牛もビックリした様子もなく、平和な関係を作っていた。
 このまま緩い関係を続けることが出来たらよかったのだが、ホースを怖がらなくなったローズは、腹が減ると俺のところに『エサくれ!』と催促に来るようになった。別に実害は無いのだが、一応放し飼いにはしたくない。
 コンセントを見つけたので、延長コードで引っ張って、電気牧柵をセットした。スイッチON!・・・コンセントは、生きていなかった。さらに延長をかけて、何とかスイッチON!今度は動いた。ローズが電牧を思い出してくれたら、いろいろやりやすい。

 久しぶりに、ニュージーランドの友人に、英語のメールを書いた。結構疲れるんだ。